壽屋 (玩具店)

株式会社壽屋（コトブキヤ）について

株式会社壽屋（ことぶきや、英: KOTOBUKIYA CO., LTD.）は、プラモデルやフィギュアなどのホビー商品の企画、開発、製造、販売を手掛ける日本の企業です。一般的には「コトブキヤ」というカタカナ表記で広く知られています。東京都の秋葉原、立川市、大阪府の日本橋に実店舗を構え、ファンにとっては聖地のような存在となっています。

歴史

1947年、東京都立川市で玩具店として創業したのが始まりです。1953年に有限会社壽屋として法人化し、1996年11月に株式会社へと組織変更しました。1989年からは可動式モデルキットの開発・販売を開始し、模型・フィギュアメーカーとしての地位を確立しました。特に、ルーカスフィルム、ワーナー・ブラザース、マーベル・コミックなど、海外の有名版権作品を数多く手がけており、そのクオリティの高さから国内外で高い評価を得ています。

1981年7月には、現在の社名としても広く知られる「コトブキヤ」の屋号に変更。1983年7月からは実店舗販売に加え、通信販売事業もスタートさせました。1989年には完全可動式のガレージキットを発売。当時は製造ノウハウが十分でなかったため、店舗のバックルームで注文に応じて手作りするという、まるで「たい焼き屋」のようなスタイルで製品を提供していました。

2001年11月には、新たな店舗として日本橋店をオープン。その後も、ラジオ会館店（2004年6月）、craftsmanship KOTOBUKIYA（2009年3月）、ホビーステーション×コトブキヤ　FC立川（2009年10月）、秋葉原館（2011年7月）、福岡天神店（2012年8月 - 2014年6月22日閉店）、エキナカ秋葉原店（2016年9月 - 2018年9月30日）と、積極的な店舗展開を行いました。

2012年5月15日には、1967年6月から入居していた第一デパートの取り壊しに伴い、創業から45年の歴史を持つ立川店が一時閉店となりました。しかし、「必ず立川に戻って参ります」という約束通り、2016年5月1日には立川駅北口に新社屋を建設し、新たな立川本店をオープン。同店には、人気キャラクター「ダンボー」とコラボレーションしたカフェ「KIT BOX -KOTOBUKIYA CAFE ＆ DINER-」も併設されています。

2008年からは出版事業にも進出し、フィギュアやサブカルチャーに関する解説書、画集、写真集、漫画などを刊行しています。また、2009年にはオリジナル製品として「フレームアームズ」を発売。これを皮切りに、数々のオリジナル企画がスタートしました。近年では、女性向け版権作品にも進出し、オリジナル製品の開発や雑貨類の製造も手掛けています。

2016年4月には、実業団として『コトブキヤ陸上部』を設立。2017年には「フレームアームズ・ガール」のアニメ版において、制作委員会方式ではなく自社出資で賄ったことが大きな話題となりました。同年9月26日には東証ジャスダック市場への株式上場も果たしました。

2018年7月には、「フレームアームズ」のコラボレーションから生まれた縁で、人気ゲーム「ボーダーブレイク」に登場するブラストランナー（全長5m）の等身大プラモデル制作プロジェクトを発表。同年7月26日には、AIQ社、Ledge社との共同開発により、3DCADを応用したAI学習の基礎技術を発表しました。

2020年12月には、VRSNS（メタバース）で使用される3DCGアバター関連事業に参入。「アバターちゃんシリーズ」の販売やファッションアイテムの展開、コンテストの実施などを行い、2023年にはさらに拡張した「プレタコンポジッタプラス」シリーズの展開をスタートしています。立川市に本社を構える縁から、立川市公認なりそこねキャラクター「ウドラ」のフィギュアや雑貨も製造・販売しており、地域貢献にも積極的に取り組んでいます。

2024年4月5日には、テレビ朝日ホールディングスが、傘下企業のテレビ朝日による株式追加取得を発表。これにより、同社はコトブキヤを持分法適用関連会社としました。テレビ朝日との連携により、同局で『アルカナディア』のテレビアニメが放送される予定です。

製造体制

模型・フィギュアの製造は、主に中国広東省東莞市虎門鎮の工場でファブレス生産を行っていましたが、2021年からは日本国内の工場も稼働を開始し、2022年末から順次国内生産に切り替えています。創業70周年となる2023年には、立川本社ビルの1/300スケールプラモデルを菊池製作所と共同開発。同年発表のプラモデルシリーズ「無限邂逅メガロマリア」では、初期から国内生産であることを強くアピールしています。

主なオリジナルコンテンツ・製品

フレームアームズ、フレームアームズ・ガール
フォルムアームズ
メガミデバイス
ヘキサギア
モデリングサポートグッズ（M.S.G）
キューポッシュ
THE MARBLE LITTLES(マーブルリトルズ)
BISHOUJOシリーズ（原型イラスト：山下しゅんや。マーベル・コミック、DCコミック関係他）
HORROR美少女シリーズ
お箸シリーズ
ぴたぬい
ルーデンス(小島プロダクションマスコット)
創彩少女庭園
無限邂逅メガロマリア
エヴォロイド
アルカナディア
END OF HEROES
プリマドール - Keyとのコラボレーション企画
かいじゅうせかいせいふく
加々美高浩監修 ARTIST SUPPORT ITEM ハンドモデル

主な版権作品シリーズ

アリス・ギア・アイギス（メガミデバイスコラボ）
ハイエンドマスターモデル・ゾイド（HMMゾイド）
一撃殺虫!ホイホイさん
アーマード・コア ヴァリアブルインフィニティ
マブラヴ オルタネイティヴ
スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONプラキットシリーズ
ダンボー、にゃんぼー!
シャイニング・シリーズ
ボーダーブレイク
ロックマンシリーズ
勇者シリーズ
エースコンバットシリーズ
装甲娘
マーベル・コミック
DCコミックス
遊☆戯☆王シリーズ
初音ミク
メダロット
陸上自衛隊07式戦車 なっちん
ティタノマキア
島田フミカネ ART WORKS
ブレイク ブレイド|ブレイク_ブレイド

コトブキヤ陸上部

2016年4月、箱根駅伝で「コーチに1人に抜かれるたび1体フィギュアを没収される」という発言が話題となった順天堂大学の稲田翔威を雇用し、実業団『コトブキヤ陸上部』を設立。日本陸上競技連盟に登録された正式な実業団チームでありながら、登録選手を「宣伝ランナー」としており、競技成績よりもコトブキヤのPRを主目的としています。2021年6月には稲田翔威が移籍し、同年8月にはげんきーずの宇野けんたろうが新たな宣伝ランナーとして加入しました。

その他の関連情報

東京ヴェルディ1969：2014年6月、Jリーグ史上初となる「フィギュアパートナー」契約を締結しました。
アルティメットニッパー：コトブキヤが販売する精密ニッパーです。
立川市立川公園野球場：命名権を取得し、2023年4月1日から3年間「コトブキヤスタジアム」として運営されています。

外部リンク

コトブキヤ公式サイト

もう一度検索