夏色の天使

夏色の天使

『夏色の天使』は、1989年7月17日から9月1日にかけてTBSの「花王 愛の劇場」枠で放送された連続ドラマです。全35話で、倉橋燿子の同名小説を原作としています。主演は小川範子が務め、同名の主題歌も担当しました。

概要

このドラマは、夏休み期間中の放送ということもあり、主婦層だけでなく小・中・高校生にも見てもらいたいというコンセプトのもと、「愛の劇場・夏休み枠」という新たな試みで放送されました。この枠は、最後の夏シーズン作品となった『大好き!五つ子2008』まで19年間継続されました。当時の午後のドラマとしては異例の高視聴率（15％以上）を記録し、『天までとどけ』シリーズと並ぶ「花王 愛の劇場」の代表作の一つとして知られています。

また、一部地域では遅れて放送されていましたが、山形放送においては本作が最後の「花王 愛の劇場」作品となりました。次作からは、TBS系列の新局であるテレビユー山形へと放送権が移行しました。

プロデューサー・演出の宮武昭夫は、TBS時代に東芝日曜劇場『愛と人間』（1978年放送）などの演出で、石井ふく子プロデューサーの作品に携わっていました。

あらすじ

物語の主人公は、中学3年生の堀江野々香（小川範子）。物語の冒頭で、唯一の肉親である母親・朋子を病気で亡くしてしまいます。母親の死後、母親の親友である森野康代（五十嵐めぐみ）、麻生静江（岡本舞）、黒川ゆかり（白石まるみ）、今井章子（黒田福美）の4人から、野々香は父親が生きているという事実を知らされます。

母親と親友たちは、かつてレディース（暴走族）仲間であり、母親が関わったある事件をきっかけに父親と別れた経緯がありました。しかし、野々香にはその詳細を説明することができませんでした。未成年である野々香は、これまで住んでいたアパートを出ることになり、自立を目指しますが、成り行きから親友の一人である麻生静江の家に居候することになります。

静江の家庭は、一見すると平和に見えますが、家族間のコミュニケーションは希薄でした。野々香は、そこで傷つきながらも、持ち前の責任感と優しさで、家族の問題を解決し、家庭を幸福な方向へと導いていきます。しかし、野々香は長くそこに留まることはできないと感じ、母親の別の親友の家へと移ります。その後も転々と居候先を変えることになりますが、野々香の天使のような心に触れた人々は彼女を愛し、父親との再会を案じます。

一方、野々香は次第に父親との再会が現実味を帯びてくるにつれ、心が揺れ動きます。そして、父親である宮沢正彦（古尾谷雅人）と再会を果たし、自分の気持ちと向き合い、最後は親子として生活を始めることを望むのでした。

キャスト

堀江野々香 - 小川範子
堀江朋子 - 大西多摩恵
森野康代 - 五十嵐めぐみ
麻生静江 - 岡本舞
黒川ゆかり - 白石まるみ
清水善太郎 - 黒田アーサー
今井章子 - 黒田福美
森野卓治 - 内藤剛志
森野俊也 - 南渕一輝
森野　守 - 西堂路拓馬
森野由紀 - 久保田百恵
田代　明 - 梨本謙次郎
麻生秀男 - 峰岸徹
麻生　泉 - 森沢なつ子
麻生律男 - 野口隆哉
森野吉造 - 下元勉
磯辺俊彦 - なべおさみ
宮沢正彦 - 古尾谷雅人

スタッフ

プロデュース - 宮武昭夫、佐藤健光、村上瑛二郎（TBS）
脚本 - 横田与志
音楽 - 難波正司
技術 - 高田裕
カメラ - 古川好伸、井原公二、野条光一、寒河江透
VE - 宇津野裕行、星野一司
照明 - 林広一、樋口章一、瀬戸五郎
音声 - 石川日出雄
音響効果 - 佐古伸一
編集 - 山内祥弘
美術制作 - 竹島哲昌
美術デザイン - 金子幸雄
小道具 - 奈良崎雅則、野呂利勝
持道具 - 鳴海千秋
大道具 - 加藤智通
建具 - 保坂美紀
植木 - 岩谷忠昭
衣裳 - 水野美樹子
メイク - 金子美枝、熊勝子
スチール - 時裕志
制作補 - 壁谷悌之
演出補 - 島崎敏樹、金子与志一、竹内秀男
TK - 木下真理子、岡田祐子
演出 - 宮武昭夫、山津俊一、佐藤健光
協力 - 東通、緑山スタジオ･シティ
製作 - 泉放送制作、TBS

主題歌

『夏色の天使』
作詞 - 川村真澄
作曲 - 井上ヨシマサ
編曲 - 米光亮
* 唄 - 小川範子（トーラスレコード）

外部リンク

夏色の天使 - テレビドラマデータベース

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