外山亀太郎

外山亀太郎：日本の遺伝学者

外山亀太郎（とやま かめたろう）は、1867年10月23日に生まれ、1918年3月29日に亡くなった日本の著名な遺伝学者です。彼は主にカイコの遺伝に関する研究で知られており、メンデルの法則の実証に大きく貢献しました。また、彼は細菌学者の青木薫の弟でもあります。

生い立ちと教育

外山は相模国愛甲郡上古沢村（現在の神奈川県厚木市）で生を受けました。1885年に東京農林学校に入学し、1892年に卒業すると、そのまま無給助手として数年間残りました。彼は1896年には福島県蚕業学校の初代校長に就任しましたが、研究に熱中しすぎたことから排斥運動に巻き込まれ、1899年に辞任。再び東京帝国大学に戻り、大学院生となりました。

研究の進展

1902年、外山は東京帝国大学農科大学の助教授に就任し、さらに農務省の蚕業技師長としてシャム（現在のタイ）に赴任しました。彼はバンコクでの3年間の任務を経て帰国し、次第に講師としての地位を確立していきました。

1906年、外山はカイコの遺伝がメンデルの法則に従うことを示した重要な論文を発表しました。この発表は、動物におけるメンデル遺伝の実証として評価され、彼の業績が広く認識されるきっかけとなりました。彼はこの年に農学博士の学位を受け、1908年に再び助教授となりました。

養蚕業への影響

1911年、外山は原蚕種製造所の技師を兼任し、異なるカイコの品種を掛け合わせて得る一代雑種が、従来のカイコよりも優れた特性を持つことを示しました。これにより、彼は養蚕業界に多くの革新をもたらし、業界全体における新しい育種方法を普及させました。

彼の努力は評価され、1915年には帝国学士院賞を受賞しました。しかし、1917年には病気にかかり、長い闘病生活を経て1918年に亡くなりました。彼は教授に昇進したものの、教壇に立つことはかないませんでした。

論文と著作

外山は多くの科学論文を残しました。その一つには『細胞固定薬並ニ貯藏法』や『遺伝学の進歩と人生との関係』などがあり、彼の研究は後の科学者たちにも影響を与えています。彼の業績は、特にカイコの遺伝に関する研究が日本の養蚕業において不可欠なものとなりました。

関連文献

彼の業績は後世にも引き継がれ、多くの研究が行われています。例えば、外山の生誕100年を記念した研究や、優生学史における彼の位置付けを評価した論文などがあります。外山亀太郎の研究は、現在もなお、日本の科学界において重要な位置を占めています。

外山亀太郎の業績は、日本の遺伝学の発展に寄与し、特に蚕糸業における進展に大きく貢献したと言えるでしょう。彼の研究は、今もなお多くの支持と尊敬を集めています。

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