外記政

外記政（げきせい）について

外記政とは、公卿をはじめとする大臣が、外記庁でさまざまな申文を検討し、協議の上で決定を行う制度を指します。この制度は日本の律令制における政策決定の一環として、平安時代に整備されました。

歴史的背景

外記政は、律令制初期には朝堂殿で開催されていた会議が進化する形で発展しました。しかし、平安時代が進むにつれ、天皇の生活が内裏に集中するようになると、会議の場所も次第に内裏に近い位置へと移されました。当初、会議は太政官庁で行われたため「官政」と呼ばれていましたが、平安時代前期には外記庁での開催が主流となりました。

会議の進行

会議は特定の手順に従って進行されます。まず、会議が始まる前に、少納言、弁官、外記といった関係者が集まり、文書の整理・分類を行う「結政」が行われます。その後、指定された開始時刻に公卿が入場し、着席して会議がスタートします。会議の進行は弁官の指示で文書が読み上げられ、これを基に公卿たちが討議し、決裁を行います。最終的には請印を行い、公卿が退席することで会議が終了します。

開催頻度の変化

外記政は原則として月に5回の休日（6・12・18・24日および晦日）を除いて、毎日開催されることとなっていました。しかし、平安時代中期にはその頻度が減少し、数回にとどまったり、代わりに他の形式の会議（陣定や奏事など）が行われるようになりました。なお、国司交替の前には申文の確認が必要な場合もあり、これにより外記政の機能が完全に失われているわけではないと指摘されています。

外記政の終焉

外記政は、平安時代末期には形骸化し、一種の儀式的な宮中行事へと変わっていきました。藤原頼長が再興を志したものの、保元の乱において敗死し、その結果制度は廃絶しました。また、後花園天皇が直筆で作成した『建武年中行事』には「中絶」という注記がされており、外記政の存続が難しくなったことがうかがえます。

関連項目

外記政に関連する制度として「政始（まつりごとはじめ）」があります。これらの制度は、日本の古代国家の政治運営や政策決定に重要な役割を果たしました。

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