少納言

少納言（しょうなごん/すないものもうし）とは

少納言は、日本の朝廷における最高機関である太政官に置かれた職の一つです。唐名（漢風名称）は給事中であり、四等官における判官（じょう）に相当します。官位相当は従五位下で、定員は3名でしたが、員外少納言や権少納言が置かれた時期もありました。

太政官三局の一翼

少納言は、左弁官局・右弁官局とともに議政官（大臣・大納言・中納言・参議）の下で実務を担う太政官三局の一つ、少納言局を構成していました。少納言局には、外記・史生・使部といった下僚が属していました。

職務の変遷

少納言の主な職務は、詔勅宣下の事務と、それに必要な御璽・太政官印・駅鈴の管理でした。大宝律令においては、「小事を奏宣す」官と位置づけられ、侍従を兼任して天皇に近侍する秘書官的な役割を担っていました。しかし、侍従の職務が多忙であったため、次第に下僚である外記に職掌を奪われることになります。

さらに、令外官である蔵人所が設置されると、天皇の近臣としての地位や職掌も大幅に弱まりました。その結果、少納言は主として儒者が任用されるようになり、単に印と鈴を管理するだけの役職へと変化していきました。少納言局の実務は大外記・少外記（定員各2名）が行うようになり、外記局と呼ばれることもありました。

中世後期以降

中世後期以降は、広澄流清原氏の嫡流である舟橋家の公卿が、天皇の侍読を経た後に任じられる官職として知られるようになりました。

関連事項

文殿
清少納言
* 舟橋家

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