多摩レイクサイドFM

特定非営利活動法人 多摩レイクサイドFM（たまレイクサイドエフエム）は、東京都東村山市の一部地域を主な放送区域とする特定地上基幹放送事業者であり、コミュニティ放送局として運営されています。かつては通称として「FM79」が併用された時期もありました。

概要と沿革

多摩レイクサイドFMの源流は、1984年（昭和59年）に始まったミニFM局「FMひがしむらやま」に遡ります。これを前身とし、2004年（平成16年）にコミュニティ放送局として正式に開局しました。2006年（平成18年）6月までの法人名称は「ひがしむらやまエフエム」でした。

特定非営利活動法人（NPO法人）が運営するコミュニティ放送局としては、制度上、極めて早期に免許申請を行った例として知られています（開局自体は京都コミュニティ放送に次いで2番目でした）。

放送の特徴

多摩レイクサイドFMは、「タブーに捉われない放送局」を目指して設立されました。開局当初は、多数のジャーナリストがパーソナリティとして番組を担当していました。また、東京都東村山市の市議会会派「草の根市民クラブ」との関連が深く、同会派所属の市議が法人の監事やメインパーソナリティ、あるいは事務局長や番組制作部長といった要職を務めています。この関係性から、同会派の主張を反映した番組、例えば創価学会への批判的な内容を含む番組なども放送されています。過去には、流通ビジネス議員連盟による番組を放送したこともあります。

また、多摩レイクサイドFMは、2006年に発足したNPOコミュニティ放送全国協議会の当初の代表世話人を務めるなど、NPO法人による放送局の初期の動きにおいて中心的な役割を果たしました。

2021年現在、番組枠の販売も行っており、地元アーティストなどの音楽番組も放送されるようになっています。

他の多くのコミュニティFM局とは異なり、多摩レイクサイドFMは東京都内のコミュニティFM局としては唯一、インターネット経由でのサイマル配信や、公式アプリによる同時放送を行っていません。さらに、周辺の放送局との番組ネットを含む連携も一切行われていないという、独自の放送形態を維持しています。

主な番組

多摩レイクサイドFMでは、ニュース、音楽、評論、エンターテインメントなど、様々なジャンルの番組を放送しています。

ニュースワイド多摩: 放送時間の約4分の1を占める主要番組。法人監事でもある地元市議会議員・地方紙発行人がメインパーソナリティを務め、『東村山市民新聞』『読売新聞』『毎日新聞』などの記事を女性アシスタントが朗読し、それに対して解説や論評を加える形式です。
夢配達ラジオ: 過去の放送が複数回再放送されています。
音楽番組: 「朝のバロック音楽」「午前のクラシック音楽」「夜のクラシック音楽」「洋楽オールディーズ」「ジャズの時間」など、幅広いジャンルの音楽番組が編成されています。
ラジオ小説: 定期的に放送されています。
特定のテーマ番組: 「検証創価学会」（宗教番組）、「梶原和義の人間宇宙論PART3」（宗教番組）、「増山麗奈のドラゴンジャーナル」、「メディア時評」など、特定のテーマや評論に焦点を当てた番組があります。
その他: 落語、バラエティ、朗読番組（「朗読『鬼平犯科帳』」）など、多岐にわたる番組が放送されています。

主なパーソナリティ

現在、または過去に番組を担当した主なパーソナリティには以下の方がいます。

矢野穂積（法人監事を兼務）
乙骨正生（法人理事を兼務）
段勲
布施哲也（東京都清瀬市議会議員）
* 過去のパーソナリティ: 斎藤貴男、溝口敦、岡本厚、魚住昭、森達也、宮崎学、本郷健、国松昭、屋山太郎、川崎泰資、元木昌彦、小関順二、二木啓孝、岩瀬達哉、木下厚、降旗節雄、落語家らぶ平など、著名なジャーナリストや評論家などが多数参加していました。

関連事案

2012年（平成24年）12月18日、最高裁判所の上告棄却により、東村山市議会議員に対する多摩レイクサイドFMでの放送内容が名誉毀損にあたるとして、損害賠償の支払いや謝罪放送の実施を命じた東京高等裁判所の判決が確定しました。この裁判では、法人監事の矢野穂積氏や事務局長、番組制作部長を務めていた朝木直子氏も被告とされ、損害賠償の支払いを命じられています。問題となったのは、被告らによる該当市議に対する特定の言動や宣伝活動でした。

このように、多摩レイクサイドFMは、NPO法人による地域密着型コミュニティ放送という側面を持ちつつも、特定の政治的主張や評論色の強い番組編成、インターネット非対応という独自の形態、さらには過去の裁判事案など、多岐にわたる特徴を持つ放送局と言えます。

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