多良駅

佐賀県藤津郡太良町大字多良に所在する多良駅は、九州旅客鉄道（JR九州）が管轄する長崎本線の駅です。

概要

江北駅方面からの一部普通列車が当駅で折り返す運用が組まれています。通常は普通列車のみが停車しますが、過去には2019年3月まで、カニのシーズンを中心に一部の特急「かもめ」が期間限定で停車していました。また、国鉄時代の末期からJR発足初期にかけても、一部の特急「かもめ」が停車していた時期があります。

当駅が位置する自治体名は「太良町」と表記しますが、駅名および所在地の地名は「多良」と表記します。これは、現在の太良町が旧多良町と旧大浦村が合併して成立した合成地名であるためです。

歴史

多良駅は1934年（昭和9年）4月16日に鉄道省の駅として開業しました。時代の流れと共に、駅の機能も変化を遂げています。1982年（昭和57年）11月15日には貨物取扱が廃止され、続いて1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも終了しました。一度は1985年（昭和60年）1月20日に無人駅となりましたが、その後、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR九州の駅として再出発します。特急「かもめ」の冬季臨時停車は2019年（平成31年）3月31日をもって終了しました。駅の無人化については、2020年（令和2年）4月1日から終日無人駅となり、肥前鹿島駅から係員が巡回する体制に移行しました。さらに2022年（令和4年）3月12日には窓口営業が終了し、完全に無人駅となりました。同年9月23日には観光特急「ふたつ星4047」の運行が開始され、停車駅となったほか、当駅を含む肥前浜駅から長崎駅間が非電化区間となりました。駅構造の変更もあり、2024年（令和6年）4月には旧3番線が廃止されました。そして、2024年（令和6年）12月12日には、従来の東側に加えて西側（山側）にも新しい出入口「多良岳口」が新設され、完成式典が行われています。

駅構造

駅は地上駅で、単式ホーム2面2線の構造を持っています。上り線（2番のりば）が通過線となる1線スルー配線が採用されており、二つのホーム間は屋根のない跨線橋で結ばれています。駅舎は東側の単式ホームに面しており、古くからの木造建築ですが、リニューアルが施されており、内部には待合所と改札口があります。ホームの一部、特に817系電車が乗り入れていた時期に合わせて、2両分がかさ上げされています。かつては単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を組み合わせた2面3線の配線でしたが、列車本数の減少に伴い3番線を使用する列車がなくなり、廃止されました。また、以前はJR九州サービスサポートが業務を担う業務委託駅でしたが、2020年4月1日からは終日無人駅となっています。2024年12月には、長年の懸案であった西側からのアクセスが改善され、多良岳口が設けられました。

利用状況

2016年度の1日平均乗車人員は323人でした。

駅周辺

駅周辺は太良町の中心部にあたり、多良川をはじめとするいくつかの河川の河口付近に位置しています。かつては多良岳登山口へ向かう祐徳バス中山線が当駅から運行されていましたが、2019年10月に廃止されています。周辺には太良町役場、佐賀県立太良高等学校、太良町立多良小学校、太良町立多良中学校といった公共施設が集まっています。また、駅の東側には国道207号が有明海沿いを並行して通っており、佐賀県道232号多良停車場線や多良海道といった道路も利用可能です。駅近くには多良川が流れ、商業施設としてエレナ太良店などもあります。

バス路線

駅前にはバス停が設けられています。祐徳バスの「多良駅前」バス停は佐賀県道232号線上にあり、鹿島バスセンターから竹崎港方面を結ぶ路線が運行されています。また、太良町コミュニティバスの「多良駅前」バス停もあり、伊福・片峰線や中山線、端月・川北線、中尾線、広谷・多良線、今里・多良線といった曜日限定運行の路線が利用できます。

隣の駅

JR九州 長崎本線 普通列車：肥前飯田駅 – 多良駅 – （里信号場） – 肥前大浦駅

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