多賀城市RV車飲酒運転事故

多賀城市RV車飲酒運転事故

2005年（平成17年）5月22日、宮城県多賀城市で発生した飲酒運転による悲惨な交通事故です。

事故の概要

当時、仙台育英学園高等学校（以下、仙台育英高校）では、新入生を対象とした「さつき祭」のイベントとして、「ウォークラリー」が開催されていました。この「ウォークラリー」は、仙台育英高校多賀城校舎から宮城県松島町の研修施設まで、新入生約570人が徒歩で移動するというもので、午前4時に出発しました。

午前4時15分頃、多賀城市の国道45号において、RV車が赤信号を無視して停車中の乗用車に追突し、その勢いで横断歩道を渡っていた仙台育英高校の生徒の列に突っ込みました。この事故により、3名の生徒が亡くなり、4名が重傷、16名が軽傷を負うという甚大な被害が発生しました。亡くなられた3名のうち2名は、即死でした。警察の調べによると、RV車の運転手からは、基準値を大幅に超える呼気1リットル当たり0.3mgのアルコールが検出されました。

事故後の対応

この悲惨な事故を契機に、宮城県では2007年10月に飲酒運転根絶に関する条例が制定されました。この条例により、毎年5月22日が「飲酒運転根絶の日」と定められ、県と市町村が一体となって、飲酒運転の根絶に向けた取り組みが継続的に行われています。

また、仙台育英高校多賀城校舎の敷地内には、この事故の犠牲者を悼むメモリアルゾーンが設けられています。毎年5月22日には、新入生全員が参加する追悼行事が実施され、事故の教訓を語り継いでいます。

関連事項

この事故は、飲酒運転という極めて危険な行為が、いかに多くの命を奪い、悲劇を生むかを改めて示すものでした。同様の飲酒運転による交通事故は後を絶たず、社会全体で飲酒運転の根絶に向けた意識改革と具体的な対策を講じていくことが必要です。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律（自動車運転死傷行為処罰法）：危険な運転行為によって人を死傷させた場合の処罰を定めた法律
危険運転致死傷罪：飲酒や薬物等の影響により、正常な運転が困難な状態で自動車を運転し、人を死傷させた場合に適用される罪
類似の事故: 同様に意識が朦朧とした状態でRV車を運転したことによって発生した交通事故
2014年池袋暴走事故
同様の飲酒運転が原因による交通事故:
東名高速飲酒運転事故
小池大橋飲酒運転事故
福岡海の中道大橋飲酒運転事故
八街児童5人死傷事故
砂川市一家5人死傷事故
* 智頭町飲酒運転事故

この事故で犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、私たち一人ひとりが飲酒運転の危険性を再認識し、飲酒運転を絶対にしない、させないという強い決意を持つことが大切です。

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