多賀宮

多賀宮（たかのみや）

多賀宮は三重県伊勢市の豊川町にある外宮（豊受大神宮）の境内に位置する別宮として知られています。別宮とは「わけみや」を意味し、正宮に次ぐ重要な神社です。この場所は、外宮の正宮南にある檜尾山の上に位置しており、周囲の自然と調和した環境に囲まれています。

基本情報と歴史

多賀宮は、外宮の中でも特に古い神社であり、845年に作成された『止由気宮儀式帳』や920年の『延喜式神名帳』に名前が記載されています。これらの書物には、多賀宮がその設立以来重要な地位を保ってきた証が示されています。祝詞においては、豊受大御神の荒魂として、「豊受大御神荒魂（とようけのおおみかみのあらみたま）」が祭神に指定されています。

創建については明確な由緒がないものの、雄略天皇22年（478年）に外宮が創建された際に共に誕生したとされる伝承があります。その後、明治時代には「高宮」と呼称されていたが、公式の文献に基づき「多賀宮」に統一されました。この名前には縁起が良い字を使った背景があり、地元の信仰と結びついています。

祭神とその象徴

多賀宮に祀られる豊受大御神の荒魂は、伝説によれば伊勢の神々において非常に重要な位置を占める存在とされています。禊祓の儀式を経て誕生したとされ、神道の根幹に関わる神々との関連が深く、多くの信者から崇拝されています。

祭事と行事

多賀宮では、外宮正宮に準拠した様々な祭事が執り行われています。祈年祭、月次祭、神嘗祭、新嘗祭などの重要な行事には、皇室からの幣帛が供えられ、特に皇室の勅使は多賀宮に特別な関心を持っています。この取り扱いは、内宮の荒祭宮と同様の待遇であり、神宮における重要性が伺えます。

社殿の特徴

多賀宮の社殿は、外宮に似た様式で作られており、千木や鰹木の配置が特徴的です。社殿は南向きに立っており、神道の伝統に則った美しいデザインを施されています。隣接して新御敷地もあり、遷宮のための準備が進められています。

交通アクセス

多賀宮へのアクセスは便利で、最寄り駅はJR参宮線や近鉄伊勢市駅から徒歩約12分の距離にあります。また、三重交通の外宮前バス停から徒歩5分程度で到着可能です。伊勢自動車道の伊勢西インターチェンジからは約2kmの距離にあり、駐車場も完備されていますので、ドライブでの訪問も容易です。

結び

多賀宮はその特異な歴史と文化的意義から、訪れる多くの人々に特別な経験を提供しています。また、周囲の自然とともに静穏な時間を過ごす場でもあり、神社の存在が地域の文化遺産としての価値を高めています。伊勢にお越しの際は、是非立ち寄って、その神聖な雰囲気を体感してみてください。

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