大サクルダーイ経

『大サクルダーイ経』の概要

『大サクルダーイ経』（だいサクルダーイきょう、巴: Mahāsakuludāyi-sutta）は、パーリ仏典の中部に収められた重要な経典の一つです。この経典は第77経に位置し、別名『善生優陀夷大経』とも称されます。類似の漢訳経典には『中阿含経』に収録されている「箭毛経」があります。

経典の構成と登場人物

この経典では、主人公である釈迦（シャカ）が、外道の修行者サクルダーイに対して仏法を説くというストーリーが展開されます。舞台は、釈迦がラージャガハ（王舎城）の竹林精舎に滞在している時に設定されており、ここで釈迦は外道の遊行者たちと対話をします。

サクルダーイは、さまざまな思想家の中で釈迦が最も優れていることを認め、彼に対する弟子たちの尊敬も敬意を示しています。このような状況から、釈迦はサクルダーイに対し、弟子たちが彼を尊重する理由を説明します。それが、五つの法（戒定慧諦品）です。

釈迦の教え

釈迦が説く教えは多岐にわたります。具体的には、下記のような内容が挙げられます。

• - 五つの法：戒定慧によって構成され、実践することで弟子たちは深い理解を得ることができる。
• - 七科三十七道品：仏教の実践における重要な要素や道具を示す。
• - 八解脱：煩悩を超えた状態を指し、悟りへの道の指針となる。
• - 八勝処、十遍処、四禅、六神通：それぞれ、修行の進展に伴い経験される境地や能力を示す概念であり、修行者の成長を助けます。

これらの教えを通じて、釈迦はサクルダーイに深い洞察を与えます。特に、外道の修行者が仏教の教えをどのように受け入れ、実践へと転換していくのかが重要なテーマとなっています。

サクルダーイの帰依

釈迦の教えを聞いたサクルダーイは、その内容に心を打たれ、大いに法悦し、釈迦への帰依を誓います。彼の反応は、釈迦の教えが外道の修行者にも響くものであることを示しています。この帰依は、仏教の教えが普遍的なものであり、誰にでも理解されうる可能性を示唆しています。

参考文献

この経典の日本語訳は複数の著作に見られます。主なものは以下の通りです。

• - 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典3』（第11巻上） 大蔵出版
• - 『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）中分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
• - 『原始仏典 中部経典3』（第6巻） 中村元監修 春秋社

関連項目

• - 六師外道
• - 七科三十七道品
• - 八解脱
• - 八勝処
• - 十遍処
• - 四禅
• - 六神通

このように『大サクルダーイ経』は、仏教の教えを深く理解し、他者への影響を与えることの大切さを訴える重要な経典の一つと言えるでしょう。

もう一度検索