大中寺

大中寺（だいちゅうじ）

大中寺は、栃木県栃木市大平町西山田に位置する曹洞宗の寺院で、太平山を山号とします。この寺院は、関三刹の一つとして、その歴史と文化的な価値で知られています。

歴史

大中寺の伝承によれば、その起源は1154年（久寿元年）に真言宗の寺院として創建されたことに遡ります。しかし、実質的な創建とみなされているのは、1489年（延徳元年）に在地豪族の小山成長が快庵妙慶を開山として招き再興した時です。また、天翁院（小山市）の中興開山でもある培芝正悦（ばいししょうえつ）が大中寺の2世となっています。

16世紀半ばの天文から弘治の頃、5世海庵尖智の時代に、後継者争いが起こり、無学宗棼と快叟良慶の間で寺が二つに分裂しました。小山高朝によって下都賀郡榎本村（現在の栃木市大平町榎本）に新たな大中寺が建立され、無学宗棼がそちらに移りました。山田の大中寺は一時荒廃しましたが、1562年（永禄5年）に快叟の弟子の天嶺呑補によって再興されました。快叟が上杉謙信の叔父にあたることから、謙信によって伽藍が整備されたと伝えられています。

1591年（天正19年）には、徳川家康によって曹洞宗の関八州僧録職に任命され、1612年（慶長17年）には下総の總寧寺（千葉県市川市）、武蔵の龍穏寺（埼玉県入間郡越生町）と共に天下大僧録（関三刹）の一つとなりました。天下大僧録とは、寺院の本末制度とは別に、末寺数の多い日本各地の曹洞宗寺院を傘下に置き管理させる寺院として指定されたものです。これらの3つの寺院は月番で曹洞宗の事務を取り仕切り、大本山永平寺の住職はこれらの寺院の住職経験者から選任されました。

境内には『雨月物語』に収録されている「青頭巾」の伝説にまつわる「根無し藤」など、「大中寺七不思議」と呼ばれるものがあります。

文化財

大中寺には、宝永年間（1706年 - 1711年）に作られた梵鐘があります。この梵鐘は、当時の技術と文化を伝える貴重な文化財です。

交通アクセス

• - JR両毛線大平下駅から車で約7分
• - 東武日光線新大平下駅から車で約10分

参考文献

• - 『日本歴史地名大系 栃木県の地名』（「大中寺」の項）、平凡社、1988、ISBN 978-4582490091

関連項目

• - 栃木県
• - 太平山
• - 大平町ぶどう団地

外部リンク

• - 大中寺 - 栃木市観光協会

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