吉村武彦

吉村武彦（よしむら たけひこ）

日本の歴史学者。1945年、朝鮮の大邱で生まれました。専門は日本古代史で、特に古代の社会構造や国家形成、天皇の役割、豪族の興亡などについて研究しています。

学歴と職歴

1964年に大阪学芸大学附属高等学校天王寺校舎（現・大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎）を卒業後、1968年に東京大学文学部国史学科を卒業。その後、1973年に東京大学大学院人文科学研究科博士課程（国史学専門課程）を中退し、東京大学文学部の助手となります。

1975年には千葉大学教養部の講師、1977年には助教授、1989年には教授に昇任。1990年に明治大学文学部教授に転じ、2016年に定年退職するまで教鞭を執りました。

1997年には、論文「日本古代の社会と国家」で東京大学から文学博士の学位を授与されました。

研究内容

吉村武彦の研究は、日本古代史の中でも、特に社会と国家の形成過程に焦点を当てています。古代王権の成立、律令制度、豪族の動向、仏教伝来など、多岐にわたるテーマを扱っており、日本古代史研究の第一人者として知られています。古代史の史料を丁寧に読み解き、新たな解釈を提示することで、歴史像を鮮やかに描き出すことに尽力しています。

主な著書

『日本の歴史③ 古代王権の展開』（集英社、1991年）
『日本古代の社会と国家』（岩波書店、1996年）
『古代天皇の誕生』（角川選書、1998年／角川ソフィア文庫、2019年）
『日本社会の誕生―日本の歴史〈1〉』（岩波ジュニア新書、1999年）
『聖徳太子』（岩波新書、2002年）
『古代史の新展開』（新人物往来社、2005年）
『ヤマト王権―シリーズ日本古代史〈2〉』（岩波新書、2010年）
『女帝の古代日本』（岩波新書、2012年）
『蘇我氏の古代』（岩波新書、2015年）
『大化改新を考える』（岩波新書、2018年）

主な共編著

『古代を考える 継体・欽明朝と仏教伝来』 （吉川弘文館、1999年）
（安田常雄）『日本史研究最前線 現在、日本史の中になにがみえてきたか』 （新人物往来社、2000年）
（大塚初重）『古墳時代の日本列島』 （大月書店、2003年）
『律令制国家と古代社会』（塙書房、2005年）
『古代史の基礎知識』（角川選書、2005年）
『都城 古代日本のシンボリズム 飛鳥から平安京へ』（山路直充共編、青木書店、2007年）
『シリーズ 古代史をひらく〈1〉 前方後円墳 巨大古墳はなぜ造られたか』（岩波新書、2019年）



これらの著書は、日本古代史を学ぶ上で重要な文献となっており、学生や研究者だけでなく、一般の読者にも広く読まれています。

受賞歴

1998年には、第4回茗水クラブ学術奨励賞を受賞しています。

所属学会

吉村武彦は、日本史研究会、歴史学研究会など、複数の学会に所属し、積極的に研究活動を行っています。

関連情報

大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎
東京大学
明治大学
千葉大学
明治大学・吉村武彦ゼミ
吉村武彦 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース

論文

“CiNii Research articles 吉村武彦”. 国立情報学研究所. 2024年2月16日閲覧。
* 『井上光貞の業績と『令集解』研究』明治大学 日本古代学研究所〈日本古代学研究の世界的拠点形成〉、2019年、35-41頁。


吉村武彦は、長年にわたり日本古代史の研究と教育に尽力し、多くの研究者や学生を育成しました。その研究成果は、日本の古代史研究に大きな影響を与え続けています。

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