大串啓二

大串啓二の生涯と業績

大串啓二（おおぐし けいじ）は、1934年4月3日に生まれ、2020年3月17日に亡くなるまで、陸上競技界に多大な影響を与えた日本の選手兼指導者です。彼の専門分野は短距離およびハードル競技であり、その功績は今も語り継がれています。

早年期と教育

大串は佐賀県杵島郡六角村東郷（現在の白石町東郷）で生まれ育ちました。彼は、佐賀県立佐賀農業高等学校を卒業した後、佐賀県立白石高等学校の定時制に通いながら東京教育大学へ進学しました。この大学時代に、彼の才能は大いに発揮され、1955年の第10回国民体育大会では男子400mハードルで優勝を果たしました。

オリンピックと国際大会

大学在学中の1956年、彼はメルボルンオリンピックに出場し、男子400mハードル競技で53秒22という当時の日本学生記録を樹立しました。また、1957年には、フランス・パリで開催された世界大学スポーツ選手権の男子400mハードルで銅メダルを獲得しました。これらの結果は彼の短距離走とハードル競技の二刀流の才能を証明するものでした。

旭化成での活動

東京教育大学を卒業後、大串は教職に就きましたが、その後、旭化成に招かれ陸上競技部に入社しました。旭化成の選手として、1960年のローマオリンピックと1964年の東京オリンピックに出場し、特に1962年のアジア競技大会では男子400mハードルで金メダルを獲得しました。さらに、東京オリンピックでは陸上競技日本代表の主将としてチームを牽引しました。

指導者としてのキャリア

大串は引退後、旭化成で指導者として活動を開始し、特に宗茂・宗猛兄弟を含む若手選手たちの育成に尽力しました。加えて、日本陸上競技連盟の理事や総務委員長を務め、1992年のソウルオリンピックおよび1996年のバルセロナオリンピックでは陸上競技男子日本代表監督として指導しました。彼の指導は、多くの選手に影響を与え、成果を上げる基盤を築いたことで評価されています。

最期の時

2020年3月17日、大串啓二は肺炎のために85歳でこの世を去りました。彼の遺した功績は、陸上競技界での重要な足跡として今後も記憶され続けることでしょう。大串のスポーツへの情熱と献身は、後世の選手たちに受け継がれていくに違いありません。

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