大乃国康

大乃国 康（おおのくに やすし）

元大相撲の横綱である大乃国康（1962年10月9日生まれ）は、北海道河西郡芽室町から輩出された力士です。この名力士は、昭和時代の最後の横綱として知られており、特にその豊かな体型と一貫した相撲スタイルが特徴です。本名は青木康で、放駒部屋に所属し、現在は年寄名跡の芝田山を持つ師匠として後進の指導に当たっています。

幼少期からの背景

大乃国は、牧畜と農業を営む家庭の長男として生まれました。幼少期から家庭の仕事に従事し、自然と体力を鍛える環境で育ちました。小学時代には柔道を通じて実績を積み、芽室中学校ではその名を轟かせました。しかし、相撲に対する思いは強くなく、進学を目指していたところ、後に彼を入門に導く人との出会いが彼の運命を変えることとなりました。

相撲との出会いと入門

当初は柔道を続けていた大乃国ですが、ある日廻しを付けられて相撲を取らされ、その実力が評価されたことで相撲の道に進むことになります。最終的には、親族会議を経て魁傑の内弟子として花籠部屋へ入門しました。

進化する力士時代

入門当初の大乃国は185cm、83kgという体重でしたが、後に急激に体重を増やし、145kg近くまで成長しました。彼は1978年に初土俵を踏み、多くの熱戦を繰り広げました。特に、1981年から1982年にかけての二子山部屋での稽古は、彼を大きく成長させる礎となりました。

1982年3月場所で新十両に昇進し、1983年には幕内に上がります。彼の相撲は、攻めの力を大切にしたスタイルで、1984年には新関脇へ昇進。この時期は、自身と同世代の力士達と競い合いながらも、次第に注目を浴び始めました。

大関への道と横綱昇進

1985年には大関に昇進し、さらに1987年には第62代横綱に昇進しました。彼の横綱としての在位中、特に力強い相撲を数多く展開し、千代の富士との対戦では歴史的な瞬間を作り出しました。大乃国は特に、相手に力を与えない独特の立合いと、豊かな体格を生かした寄り付きで観客を魅了しました。

引退後の活動

1991年の引退後、大乃国は年寄・芝田山を襲名し、後進の指導に邁進しています。彼は、力士たちに社会で通用する人間としての指導を強く意識し、農業体験を通じて、努力の重要性を教えています。また、毎年故郷での合宿では、地域への恩返しと子供たちへの育成にも力を入れています。

人柄と影響力

大乃国は真面目で優しい性格で知られ、現役時代から多くのファンに愛されてきました。相撲界の裏方への感謝を大切にし、弟子たちにその精神を伝えています。また、甘党としても知られ、スイーツに対する情熱を持っており、その魅力を広く伝えるために多くのメディアにも出演しています。

## 結論

このように、大乃国康は力士としての成功だけでなく、引退後も相撲界に多大な影響を与え続けています。彼の相撲道と人間性は、後輩たちにとっての良き模範であり、相撲という伝統を支える存在です。

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