大久保忠興

大久保忠興（おおくぼ ただおき）は、江戸時代中期に活躍した大名で、相模国小田原藩の第4代藩主です。小田原藩大久保家の6代目にあたります。官位は従四位下・大蔵大輔、大炊頭を授けられました。

正徳4年（1714年）12月19日、第3代藩主であった大久保忠方の長男として誕生しました。享保17年（1732年）に父・忠方の死去に伴い家督を継ぎ、藩主となりました。

藩主となった忠興は、江戸城本丸大手門番などの比較的負担の少ない幕府の役職に就きましたが、重要な役職には進んで就こうとはしませんでした。これは、当時の小田原藩の財政が非常に悪化していたため、藩の財政再建に専念するためでした。財政再建のため、家臣の知行の8割を借上げ、徹底した倹約を行うなど、緊縮財政政策を推し進めました。また、宝暦10年（1760年）には、藩の掟である郷中条目を制定し、宝暦13年（1763年）には農村の復興にも力を尽くしました。

しかし、その直後の9月10日には、家督を長男の忠由に譲り、自らは隠居しました。明和元年（1764年）10月29日、江戸で病のため亡くなりました。享年は51歳でした。


系譜

父：大久保忠方
母：柳沢幾子（柳沢吉保の養女、野宮定基の娘）

正室

柳沢吉里の娘

側室

鈴木氏
岸本氏

子女

長男：大久保忠由（生母は側室の鈴木氏）
次男：大久保忠厚
娘：野宮定和室
* 娘：油小路隆彭室、のち上杉勝定正室

大久保忠興は、藩主として、藩財政の立て直しに尽力し、その手腕を発揮しました。また、民政にも力を入れ、農村復興にも貢献しました。その功績は、後世にまで語り継がれています。

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