大伴和武多麻呂

大伴 和武多麻呂について

大伴和武多麻呂（おおとも の わむたまろ）は、平安時代初期の貴族であり、その政治的活動と家系について多くの記録が残されています。彼は参議である大伴潔足の息子とされ、一定の重要性を持った人物です。官位については、従五位上および左近衛少将に任ぜられましたが、この地位になった背景や、その後の動きが特に注目されます。

経歴の詳細

彼は平城朝に仕官し、最初は従五位下および左近衛少将として任命されました。この時期には、官職に就くことでさまざまな役割や責任を担うことになりました。その後、大同4年（809年）には従五位上に昇級し、さらに常陸権介を兼任することになりました。

しかし、大同5年（810年）には、いわゆる薬子の変が発生し、この時に彼の職務は一変しました。まず武蔵権介に任命された後、間もなくして日向権守に左遷されるという厳しい状況に見舞われました。このような政治的変動は、彼の経歴において重要な一幕を形成しています。

人物像

和武多麻呂は、先祖から受け継いだ射礼の作法をよく理解し、伝承していたとされています。彼は同じように射礼の技術を受け継いだ紀興道とともにその技術を広めていたと考えられています。このような伝統を重視する姿勢が、彼の人格形成にも寄与していたことでしょう。

官歴

官職に関する具体的な記録は『日本後紀』に記されており、以下のように整理されています。

• - 時期不詳：従五位下・左近衛少将
• - 大同4年（809年）

- 正月16日：常陸権介を兼任
- 4月14日：従五位上に昇進

• - 大同5年（810年）

- 9月10日：武蔵権介に任命
- 9月15日：日向権守に左遷

このような詳細な記録は、彼自身の昇進とともに、当時の社会や政治状況を知る手がかりともなります。

系譜と家族

和武多麻呂の家族構成については、父は大伴潔足と知られています。母に関する情報は不明であり、子女については以下のように記録されています。

• - 男子：伴須賀雄
• - 女子：源能有室

この血脈もまた、彼の後世にわたる影響を与えていったことでしょう。

参考文献

彼に関する記録や研究は、いくつかの文献において言及されており、以下の参考文献を用いると更に深い理解が得られます。

• - 森田悌『日本後紀 （中）』（講談社学術文庫、2006年）
• - 森田悌『続日本後紀 （上）』（講談社学術文庫、2010年）
• - 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』（古代氏族研究会、1986年）

このように、大伴和武多麻呂の人生は、平安時代の政治的な動乱や文化的な伝承の中で重要な役割を果たしてきたことを示しています。

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