大倉山 (横浜市)

大倉山

大倉山は、神奈川県横浜市港北区に位置する町名で、一丁目から七丁目までで構成されています。この地域は、かつて太尾町（ふとおちょう）という名前でしたが、2007年から2009年にかけて住居表示が実施されたことにより、大倉山という新たな町名に変更されました。

地理と特徴

大倉山一丁目には、東急東横線の大倉山駅があり、この駅を中心に街が広がっています。駅から北西方向に位置する大倉山公園には、プレヘレニック（前ギリシャ）様式で設計された大倉山記念館が建てられており、地域のシンボルとなっています。大倉山駅の東側は綱島街道に面しており、港北区役所もこの駅を最寄りとしていますが、所在地は大豆戸町です。

大倉山の地形は、駅前の商店街通りから北東側が丘陵地となっており、南西側は平坦な区域が広がっています。かつて鶴見川の氾濫により被害を受けることもありましたが、治水対策により現在はその心配はありません。また、田園地帯であったことから、比較的ゆったりとした区画で宅地開発が進められました。駅に近い場所には低層の住宅街が、少し離れた場所には高層マンションが建ち並び、多様な住環境が形成されています。

二丁目には梅の名所として知られる大倉山公園があり、約30種類、200本の梅が植えられています。開花時期には観梅会が開催され、多くの人々が訪れます。また、大倉山公園から太尾見晴らしの丘公園にかけての丘陵地帯が二丁目と大曽根台の境界となっています。

歴史

大倉山の地名は、実業家で東洋大学学長も務めた大倉邦彦が、1932年に現在の大倉山公園に創設した大倉精神文化研究所に由来します。研究所の設立以前は、この丘は観音山と呼ばれていましたが、研究所の創設を機に大倉山と呼ばれるようになりました。

また、1926年に開通した東急電鉄の駅名は当初「太尾」でしたが、1932年の東横線全線開通時に「大倉山」に改称されました。この町名変更は、14世紀から存在していた「太尾」の名前が消滅することから、住民の間で賛否両論があり、異例の公聴会も開催されました。しかし、最終的には町名変更が決定され、現在に至ります。

旧町名「太尾町」

太尾町は、縄文時代には海岸線が近く、大倉山が岬のように突き出ていたことに由来すると言われています。1352年には既に「太尾」の地名が記録に残っており、その後、橘樹郡太尾村として発展しました。太尾村は上太尾、中太尾、下太尾の3つに分かれ、1889年に大綱村に、1927年には横浜市に編入されました。1939年には港北区太尾町となり、その後も周辺地域との境界変更を経て、2009年に大倉山に町名変更されるまでその歴史を刻みました。

現在の大倉山

現在の大倉山は、駅前を中心に商店街が賑わい、レモンロード、エルム通、オリーブ通、つつみ通といった個性的な商店街が続いています。特にエルム通は、大倉山記念館のデザインをモチーフにした統一感のある街並みが特徴です。また、美容室が多いことでも知られています。

大倉山には、大倉山記念館をはじめ、大倉山公園、太尾見晴らしの丘公園など、多くの公共施設や公園、緑地があります。教育機関も充実しており、小中学校や幼稚園、保育園などが点在しています。また、スーパーマーケットなどの商業施設も充実しており、住民の生活を支えています。

その他の情報

面積

大倉山の面積は以下の通りです。

大倉山一丁目：0.26 km²
大倉山二丁目：0.26 km²
大倉山三丁目：0.17 km²
大倉山四丁目：0.13 km²
大倉山五丁目：0.16 km²
大倉山六丁目：0.33 km²
大倉山七丁目：0.21 km²

地価

2024年1月1日の公示地価によると、住宅地の地価は以下の通りです。

大倉山三丁目：483,000円/m²
大倉山七丁目：297,000円/m²

世帯数と人口

2024年4月30日現在、大倉山の世帯数は6,884世帯、人口は14,827人です。

学区

大倉山に住む場合、通うこととなる小中学校は以下の通りです。

小学校：横浜市立太尾小学校、横浜市立大綱小学校
* 中学校：横浜市立大綱中学校

事業所

2021年の経済センサス調査によると、大倉山の事業所数は341、従業員数は2,608人です。

大倉山は、歴史的な背景を持ちながらも、現代的な生活に合わせた住環境が整った魅力的な地域です。美しい自然や文化施設、便利な商業施設が調和し、多くの人々に愛されています。

もう一度検索