大内啓伍

大内啓伍の生涯と業績

大内啓伍（おおうち けいご）は、1930年1月23日に東京市京橋区（現・東京都中央区）で生まれました。彼の家は銀座の割烹旅館を営んでおり、裕福な家庭環境で育ちました。早稲田大学第一法学部を卒業後、アメリカにあるイェール大学大学院に留学。学生時代の初めは司法試験の受験を目指していましたが、衆議院議員である春日一幸との出会いをきっかけに政治の世界に入ることとなります。

1953年、大内は右派社会党の政策審議会事務局に勤務。その後、1960年には民主社会党（民社党の前身）の結党に参加し、党の要職を歴任しました。1971年には、民社党の理論誌『革新』の創刊を手掛け、編集長としてその運営に携わりました。

1972年には、民社党の訪中団として中華人民共和国へ訪問し、日中国交正常化を支持する共同声明を発表しました。また、1973年にはチリに赴き、アウグスト・ピノチェトが主導するクーデターに関する調査団に参加しました。

彼の政治家としてのキャリアは1976年、第34回[[衆議院議員総選挙]]における初当選から始まります。民社党の公認として旧東京2区から立候補し、見事に当選を果たしました。当初の選挙では激戦区での苦労を強いられましたが、党内では一貫して重要な役割を果たしました。その後、1977年には政策審議会長、1985年には書記長に就任し、党の方針決定に大きな影響を与える存在となりました。

1986年、彼は田中角栄元首相とともに民社党の改革を進め、党内の結束を図りましたが、同年の衆院選では政局の波に押され、唯一落選を経験します。それでもともに、1989年には再び党書記長に就任。しかしながら、リクルート事件による影響で辞任を余儀なくされました。

1990年の第39回[[衆議院議員総選挙]]で再び当選し、民社党委員長となった大内は、その後、様々な政策に取り組みました。この期間中には、日本政府において厚生大臣としても活躍し、多くの議題に対し政策を提言しました。

1994年には、細川内閣の一員として厚生大臣に再任されますが、消費税廃止の際に政府内の混乱に見舞われ、内閣の改革に対する意見が分かれました。その後、内閣の総辞職を経験し、政治の厳しさを痛感することとなります。

解党後の民社党は新進党に合流しようとしましたが、大内はその決定に対して反発し、最終的には自民党に参加することとなりました。1996年の第41回[[衆議院議員総選挙]]では東京4区から自民党公認で立候補し、残念ながら敗北を喫します。その後は政界からの引退を表明し、静かな日々を送ることとなります。

2016年3月9日、大内啓伍は病院で肺炎により亡くなりました。86歳の生涯を全うした彼は、正三位の位を授与されました。彼の政治活動や功績は、日本の政治史の中で重要な位置を占めています。

主な著書

• - 『朝のこない夜はない : 保革伯仲から連合時代へ』（1975年）
• - 『われ、事に後悔せず』（1995年）

大内啓伍の生涯は、数多くの挑戦や政局の変動に満ちたものであり、その政治理念や実績はこれからの政治においても語り継がれることでしょう。

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