大内持盛

大内持盛

大内持盛（おおうち もちもり）は、室町時代に周防国と長門国の守護職を務めた武将です。また、安芸国の東西条や石見国迩摩郡の一部も領有していました。

生涯

父は応永の乱で知られる大内義弘。兄に大内持世がいます。元服時には、4代将軍足利義持から偏諱を賜り「持盛」と名乗りました。

1431年、第11代当主であった大内盛見（義弘の弟）が筑前国で戦死すると、大内氏内部で後継者争いが勃発します。盛見は生前、甥にあたる持世に大内家の家督と長門国を除く所領を、弟の持盛には長門国守護職を継がせるよう遺言したとされます。

しかし、『満済准后日記』によれば、幕府の意向は異なっていました。大内氏の重臣・内藤智得は、当初、持盛に大内家の家督と周防国、安芸国の一部を、持世に長門国、筑前国、豊前国を、大内満世に迩摩郡と長門の一部を与える案を幕府に伝えました。ところがその後、内藤は盛見が生前に持盛を後継とすることに不安を抱いていたとして、持世を後継に推挙する旨を幕府に伝えたのです。

その結果、幕府は持世を後継者とし、持世に大内家の家督を継がせる御判と、持盛に長門国と石見国迩摩郡、安芸の一部を安堵する御教書を出しました。この変化の背景には、大内氏の後継を巡る幕府との交渉を任されていた内藤智得が、持盛が自分の競合相手であった陶盛政を重用したことに反発し、持世支持に転じたことが関係していると考えられています。

後継者から外された持盛は不満を募らせ、1432年、持世と共に九州へ出陣中に突如反乱を起こし、持世を石見国へ追いやります。そして大内氏の領国を制圧しました。しかし、持世は国人衆の支持を背景に反撃し、領国を奪還。1433年、持盛は豊後国篠崎において討ち死にしました。享年37歳。

参考文献

近藤清石『大内氏實録』中元壮作、宮川臣吉、山口県山口町、1885年10月28日。
藤井崇「盛見の戦死と内藤智得」『室町期大名権力論』同成社、2013年。
防長新聞社山口支社編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月。
復刻 御薗生翁甫 著「付録 新撰大内氏系図」、田村哲夫編修 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修（復刻版）、マツノ書店、1980年11月。

関連項目

大内氏
牛久藩

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