大内盛見

大内盛見：室町前期の武将、守護大名

大内盛見（おおうち もりあきら/もりはる、1377年 - 1431年）は、室町時代前期に活躍した武将であり、守護大名です。周防・長門・豊前の守護を歴任し、室町幕府の相伴衆としても重きをなしました。大内弘世の六男として生まれ、応永の乱後の家督争いを経て大内氏の勢力を拡大、最盛期を築き上げました。

生涯

1377年、大内弘世の六男として山口に生まれた盛見は、1396年に九州探題渋川満頼に対する少弐貞頼・菊池武朝の反乱鎮圧のため、兄の満弘と共に九州へ出陣します。

1399年、長兄の義弘が応永の乱を起こし室町幕府に敗れると、盛見は兄の遺志を継ぎ、幕府への抵抗と大内氏の家督相続を目指します。しかし、弟の弘茂が幕府に降伏し、足利義満の支援を得て家督を継承しようとしたため、兄弟間で後継者争いが勃発します。

1400年、弘茂が周防・長門に侵攻すると、盛見は一時豊後に退却しますが、翌1401年に反撃を開始。長門下山城で弘茂を討ち取り、さらに弘茂の後を継いだ弟の道通を滅ぼし、安芸・石見へ進出して勢力を拡大します。道通を支援した国人衆も降伏させ、家督を掌握しました。

足利義満は盛見に対抗できる勢力を失い、少弐氏・菊池氏に攻められていた九州探題渋川満頼の支援も必要であったため、1404年に盛見の家督相続を追認し、周防・長門守護職を安堵します。しかし、義満は盛見を「周防・長門凶徒」として討伐対象としており、盛見も義満の在世中は上洛しませんでした。

1406年頃に出家し、徳雄と号した盛見は、その後幕命により九州の経営に尽力し、1408年には豊後守護職にも任命されます。同年、足利義満が病死。

1409年、盛見は上洛し在京、相伴衆として幕政に参加するなど幕府に重用されます。1425年、九州探題渋川義俊が少弐満貞・菊池兼朝らに敗れると帰国して九州に下向し反乱を平定、以後は義俊の従弟で新たな九州探題渋川満直を援助して九州の勢力拡大に取り組みます。1429年に再度上洛して新将軍となった足利義教に拝謁、筑前が幕府の御料所となると筑前の代官に任命されます。しかし、少弐満貞や大友持直と筑前の領有をめぐって敵対関係となり、九州に遠征して両氏と戦いますが、1431年に筑前国怡土郡にて戦死しました。享年55歳。

盛見の死後、甥の大内持世・持盛兄弟が後継ぎ争いを起こし、持世が家督を継承しています。

大友持直らの反乱を重く見た足利義教は、安芸など近隣の国人に九州への出兵命令を下し、武田信繁・小早川則平・河野通久らが九州へ向かい持直らと交戦します。義教は大内氏の力が強くなりすぎることを警戒して大友持直との和議も検討しましたが、盛見から異議が出されました。盛見の戦死によって大友氏との和議はうやむやとなり、問題は次代に引き継がれることになります。

文化人としての一面

盛見は武将としてだけでなく、文人としても優れていました。京都五山の僧達と交流して禅を修め、1418年から1431年にかけて宇佐神宮の造営を手がけ、氷上山興隆寺に供養会を開くなど文化的な業績を挙げています。また、李氏朝鮮と通交して大蔵経を印行させ、大きな利益を得ました。

偏諱を与えた人物

大内盛清（甥（庶兄・弘正の子）、子孫は冷泉氏となる）
小早川盛景

大内盛見は、激動の時代を生き抜き、大内氏の勢力拡大に大きく貢献した人物として、その名を知られています。

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