大勝館

大勝館の歴史

大勝館（たいしょうかん）は、日本の映画館で、1908年に開業し、1971年に廃業するまでの約63年間にわたる長い歴史を持っていました。本館は東京都台東区浅草に位置しており、当初は「第一共盛館」として1880年代に開業しました。

初期の運営

大勝館は、青木一座による玉乗りの興行が行われるなど、黎明期の映画常設館としての役割を果たしていました。1908年7月13日、実業家の大瀧勝三郎が改築を依頼し、映画専用の「大勝館」として新たに開館しました。開業当日の記念上映作品として、梅屋庄吉による『大勝館開場番組』が上映されました。この館は、次第に映画製作会社であるM・パテー商会のフラッグシップ館として重要な役割を担いました。

日活との関係

1912年には、M・パテー商会が他の商会と合併し、日本活動写真株式会社（現在の日活）が誕生しました。大勝館はこの新会社のフラッグシップ館となり、数々の作品が上映されました。しかし、1914年にはフランチャイズ契約が終了し、天然色活動写真社（天活）のフラッグシップ館に変わります。その後、天活が国際活映に買収されると、大勝館は国活の主要館となりました。

映画館の繁栄と変遷

大勝館は、多くの映画作品を上映し続け、特に1923年の関東大震災の後は復活を果たしました。また、松竹との契約が続く中で洋画も提供するようになり、松竹の洋画興行チェーン『SPチェーン』の一員となりました。しかし、1942年には洋画の上映が一時的に停止され、実演劇場としての機能も果たすようになりました。

戦後の復興と閉館まで

1945年の第二次世界大戦終結後、大勝館は松竹歌劇団の公演を再開し、以降も様々な形式で興行を行いました。1962年以降は洋画名画座として運営が続いたが、1971年10月12日に正式に廃業しました。のちにその建物は取り壊されることになり、1972年には新たに浅草中映会館が建設されました。

再開発と現在

大勝館の跡地は、その後数度にわたる再開発を経て、最終的にドン・キホーテが核店舗となる商業施設が建設されました。2013年には「ドン・キホーテ浅草店」が開店し、大勝館の歴史は新たな形で息づいています。

結論

大勝館は、日本の映画文化の歴史の中で重要な役割を果たし、その興行スタイルやラインナップは多くの観客に愛されてきました。63年の長い間、多彩な映画作品や演劇を通して人々を楽しませたこの歴史的な映画館の記憶は、現在もなお浅草の地に息づいていると言えます。

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