松竹歌劇団

松竹歌劇団の歴史と特徴

松竹歌劇団（しょうちくかげきだん）は、日本のレビューおよびミュージカル劇団であり、1928年から1996年までの68年間、数多くの観客に支持されてきた。劇団は女性だけで構成され、特に「少女歌劇」としての立場を確立していた。東京・浅草を拠点に活動し、1930年代には宝塚歌劇団と人気を競い、観客を魅了する舞台を数多く展開した。

劇団の誕生

松竹歌劇団の前身は、1914年に設立された宝塚少女歌劇団に始まる。松竹楽劇部の設立は1921年に遡り、1928年には東京松竹楽劇部が発足する。松竹楽劇部は、その後道頓堀松竹座を拠点に短期間の公演を行い、演目が次第に盛況となっていった。特に1926年の『春のおどり』が大ヒットを記録したことで、劇団は本格的な興行の道を歩み始める。

レビュー全盛期

1930年代には、松竹歌劇団のレビューは東京の名物ともなり、浅草松竹座や歌舞伎座、東京劇場などで観客を魅了した。水の江瀧子をはじめとするスターたちが「男装の麗人」として人気を博し、その活動が盛り上がりを見せた。1933年には「桃色争議」が起こり、松竹少女歌劇部は松竹本社の新直轄団体となり、松竹少女歌劇団として生まれ変わり、団員養成機関も新設された。

戦後の復興と成長

戦争の影響でいったん解散した松竹歌劇団だったが、1945年に新たに団員を集めて再出発。以降は国際劇場での公演が中心となり、様々な演出が展開された。1950年代には観客動員数も大きく増え、265万人を記録するほど繁盛した.

1960年代の転機

しかし、1960年代半ば以降、娯楽の多様化により松竹歌劇団は低迷期を迎える。特にミュージカル文化の台頭が影響し、松竹もミュージカル劇団への転向を決断する。1970年代には一部作品でミュージカルに取り組む姿勢を見せたが、期待された定着は果たせなかった。

解散までの道のり

1990年に行われた最後のナンバー『東京踊り』をもって、松竹歌劇団はレビュー劇団としての歴史を閉じる。1992年には初めてのミュージカル公演を行い、観客から高く評価されたものの、体制の崩壊に進み、1996年には松竹歌劇団とその活動が終了した。

劇団のスタイルと影響

松竹歌劇団の公演内容は、国際劇場を舞台にした大規模なレビューが特徴であり、大規模なダンシングチームによって華やかな演出が行われた。特に「四大おどり」と称する模様を組み込んだ演目が人気を博し、宝塚のレビューとは一味違ったエロティシズム溢れた魅力を持っていた。また、海外公演も多数行ない、日本の文化を海外に紹介する役割を果たした。

最後に、松竹歌劇団は水の江瀧子のような多くの著名なスターを輩出し、多文化を楽しむ一大エンターテインメントとして多くの人々の記憶に残っている。

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