大南博美

大南博美（おおみなみ ひろみ）は、1975年11月15日生まれの福井県出身の陸上競技選手で、長距離走とマラソンを専門としていました。双子の妹である大南敬美も同じくマラソン選手として知られています。見分けるポイントは髪の長さで、博美選手は短く、敬美選手は長いのが特徴です。

中学時代から妹の敬美選手とともに福井県内の陸上大会で活躍し、美方高校時代には全国高校駅伝にも出場しました。高校時代の記録は現在も福井県記録として残っています。東海銀行に入行後、竹内伸也監督の指導のもと、妹と共に着実に力を伸ばしました。

1999年の名古屋国際女子マラソンで初マラソンを経験し、3位入賞を果たしました。しかし、2002年の釜山アジア競技大会では優勝を期待されながらも3位に終わるなど、なかなか結果に結びつかない時期もありました。妹の敬美選手が先に世界陸上の代表となったことも、博美選手にとっては大きな刺激となりました。

その後、2004年のベルリンマラソンで2位入賞を果たし、自己ベストを更新。この記録は、当時の日本女子歴代9位に相当するものでした。同年には、札幌国際ハーフマラソンでも初優勝を飾っています。UFJ銀行陸上部の廃部が決まった後も、2005年の大阪国際女子マラソンで6位入賞、日本陸上選手権10000mでは3位入賞を果たし、世界陸上ヘルシンキ大会の代表に選出されました。しかし、本番ではスタート直後の転倒が響き、21位に終わりました。

2006年の日本選手権では2位入賞、ドーハアジア競技大会10000mでは銅メダルを獲得しました。2007年のロッテルダムマラソンでは、高温という悪条件の中、海外メジャーマラソンで初優勝を果たしました。2008年の北京オリンピックを目指し、東京国際女子マラソンに出走しましたが、5位に終わりました。同年の名古屋ハーフマラソンでは優勝を飾っています。トヨタ車体所属としての最後のレースとなった2010年の名古屋国際女子マラソンでは、序盤から積極的に先頭を引っ張り、3位入賞を果たしました。

その後、故郷の染色加工会社ユティックに所属し、現役を続行しました。2011年の青梅マラソンでは優勝しましたが、東日本大震災の影響で中止となった名古屋国際女子マラソンには出場できませんでした。ボストンマラソンにも姉妹で出場しましたが、故障の影響で満足な結果を残せませんでした。

2020年4月には、ダイシンプラント陸上競技部の監督に就任し、指導者としての道を歩み始めました。

大南博美選手の自己ベストは、5000mで15分20秒75、10000mで31分35秒18、ハーフマラソンで1時間8分45秒、マラソンで2時間23分26秒です。マラソンの主な記録としては、1999年名古屋国際女子マラソン3位、2002年同2位、2004年ベルリンマラソン2位、2007年ロッテルダムマラソン優勝などがあります。彼女の粘り強い走りと、数々のレースでの活躍は、多くの人々に感動を与えました。

大南博美選手は、選手としてのキャリアを通じて、常に挑戦を続け、自己の限界に挑み続けました。引退後も指導者として、その経験と知識を次世代に伝え、陸上界の発展に貢献しています。

もう一度検索