大原 (竹富町)

大原の概要

大原は沖縄県八重山郡竹富町の地名で、八重山諸島の西表島南東部にあります。かつては独自の集落として知られていましたが、現在は「沖縄県八重山郡竹富町字南風見」の一部に組み込まれ、小字としての「大原」は廃止されています。大原は1938年から1941年にかけて、新城島からの農民が集団で移り住んで形成された新しい地域です。

この地域は仲間川の南側に広がる集落であり、仲間港（通称・大原港）は西表島の交通の要所として重要な役割を果たしています。当港では、西部の上原港と連携しながら、定期船が発着し、島外との接続を維持しています。港周辺には商店やレンタカーなどのサービスが豊富に揃っており、訪れる人々に便利な環境を提供しています。

ただし、冬季には石垣港と上原港を結ぶ航路で北寄りの風が強まるため、欠航が相次ぐことがあります。この際、代替バスが仲間港と上原港の間を運行し、訪問者の移動をサポートしています。

竹富町役場の移転問題

竹富町は1914年に旧八重山村から分村して誕生し、設立当初は竹富島に役場を設置していましたが、1938年に石垣島へ移転しました。この移転は、島同士の交通が不便だったことが主要な理由です。役場が町外にあるため、職員の多くが石垣市に住民票を持ち、竹富町への税収が減少するという問題も発生しました。

町内の住民の行き来を活性化するため、役場を大原に移転する構想が長年に渡って存在しました。2015年には住民投票を経て、2017年に竹富町が「新竹富町役場に関する基本方針（案）」を発表し、大原に新しい本庁舎を設ける方針を定めました。この新庁舎は延べ面積3,000m²を計画していたものの、石垣市内には支所を置くこととなる見通しで、実際には庁舎の規模や建設時期が一部見直されています。2022年には石垣庁舎が完成しましたが、大原庁舎の計画は縮小され、執務スペースが300-400m²、職員数も十数名に制限されています。

主要な施設

大原には地域の生活基盤を支える多様な施設が存在しています。以下のような施設があります。

• - 仲間港（大原港）: 交通の要所
• - 竹富町役場西表東部出張所: 地域行政の拠点
• - 西表大原郵便局: 郵便サービスを提供
• - 八重山警察署大原駐在所: 地域の治安を維持
• - 沖縄県立八重山病院大原診療所: 健康管理の拠点
• - 竹富町立大原小学校: 地域の教育機関

なお、竹富町立大原中学校は大富地区に位置しています。

名所・旧跡

大原にはいくつかの名所や旧跡も点在しています。代表的なものに以下が挙げられます。

• - ンママキーやまねこパーク（西表東部公園）: 自然と触れ合える公園
• - 大原神社: 地元住民の信仰の対象
• - 大原創立草分けの父 大桝久雄氏之像: 地域のアイコン

まとめ

大原は沖縄の自然と文化を感じられる場所で、交通の要所としても重要な役割を果たしています。町役場の移転計画は地域の発展に影響を与える一方、不安定な交通環境を改善するための手段でもあります。地域の住民たちにとって、これからの大原の発展に期待が寄せられています。

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