大友康匠

大友康匠（おおとも やすおみ）

日本の絵本作家、漫画家として知られる大友康匠（1934年1月14日 - 1995年1月16日）は、その生涯で多様な作品を世に送り出しました。本名は大友義康といい、漫画家時代には複数のペンネームを使い分け、作品ごとに異なる名義で活動していました。少女漫画の『マリちゃん』シリーズや、絵本作家としての『ノンタン』シリーズは、彼の代表作として広く知られています。

生い立ちと漫画家としてのキャリア

神奈川県横浜市で生まれた大友は、十代の頃から漫画の才能を発揮し、『東光少年』という雑誌に投稿した『ウサギミミスケ』で金賞を受賞しました。その後、漫画家の大城のぼるに師事し、漫画家としての道を歩み始めます。1951年には、中村書店から『珍宝島探険』や『アベコベ猛獣狩り』といった作品を出版し、1950年代には鶴書房や東京[[漫画出版社]]からも作品を発表しています。講談社の『少女クラブ』や『少年クラブ』にも漫画を掲載し、1958年には『マリちゃん』シリーズをまとめた「オオトモヨシヤス選集」を刊行しました。また、東映動画の長編アニメーション『白蛇伝』のコミカライズも手がけています。

トキワ荘との関わり

1950年代末には、永田竹丸らとともにトキワ荘に出入りし、横山光輝やそのアシスタントだった岸本修と交流がありました。横山が『冒険王』に掲載した『闇におどる猫』には、大友自身も登場しています。

病気と結婚、そして絵本作家へ

1962年から1964年にかけて病気で入院したことで、活動ペースが落ちますが、1969年頃から漫画家の棚下照生のアシスタントをしながら、後の妻となる清野幸子に漫画指導を始めます。1970年に清野と結婚し、その後は『たのしい幼稚園』のカットを描くなど、活動の幅を広げます。

『ノンタン』シリーズの誕生

1975年、清野と共同で絵本の企画を偕成社に持ち込み、それが『ノンタン』シリーズへと発展します。1976年には『ノンタンぶらんこのせて』、『ノンタンおやすみなさい』、『あかんベノンタン』が刊行され、このシリーズは広く愛されるようになりました。

晩年と著作権訴訟

1982年には、夫婦で『二人でノンタン』を執筆し、有限会社大友を設立しますが、1984年に別居、翌年には離婚します。その後、「ノンタン」の著作権を巡り、清野との間で訴訟が起こりました。1995年に大友は亡くなり、訴訟は彼の死後も続きましたが、1998年に判決が下りました。

作品一覧

大友康匠は、数多くの漫画作品と絵本を制作しました。以下は、その一部です。

漫画作品
1951年 - 1953年: 『珍宝島探険』、『アベコベ猛獣狩り』、『フリード王子』など
1954年: 『金髪のジェニイ』、『海底のふしぎな冒険』、『ゴルゴンの首』など
1955年: 『瓜子姫』、『王女ナスカ』、『次郎物語』など
1956年: 『小公子』、『雪の少女』、『真珠のくびかざり』など
1957年: 『マリちゃん』、『南極大陸』、『わすれな草』など
1958年 - 1959年: 『白蛇伝』、『マリちゃん』シリーズ、『スピード探偵桃太郎』など
1960年代: 『チャンピオン』、『たけくらべ』、『家出したおかあさん』、『パチンコパパ』など

絵本作品
1976年: 『ノンタンぶらんこのせて』、『ノンタンおやすみなさい』、『あかんベノンタン』
1982年: 『二人でノンタン』
1985年: 『下村式 唱えて覚える ひらがなあいうえお』
1984年: 『おみちゃん さっちゃんのこども え じてん』
1993年 - 1994年: 『まいごのプックン』、『なかよくプックン』、『やだやだプックン』

大友康匠の作品は、その時代を反映した多様な表現方法で、多くの読者に愛され続けています。彼の作品は、漫画と絵本の世界において、重要な足跡を残しました。

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