大友氏時

大友氏時

大友氏時（おおとも うじとき）は、南北朝時代に活躍した武将であり、守護大名として知られています。大友氏の8代目当主にあたります。

生涯

大友氏時は、大友貞宗の七男として誕生しました。幼名は宮松丸、通称は孫三郎と称しました。足利尊氏の寵愛を受け、兄の氏泰とともにその猶子となり、源氏の姓と「氏」の字を与えられ、氏時と名乗るようになりました。

貞和4年/正平3年（1348年）に、兄である氏泰から家督と豊後守護職を受け継ぎました。その後、豊前、肥後、筑後守護職にも任じられ、九州における大友氏の勢力拡大に貢献しました。

延文の初めには、一時的に南朝に降伏しましたが、後に北朝に復帰しました。足利義詮からの信頼も厚く、九州探題の斯波氏経とともに、菊池氏の猛攻を高崎山城で防ぎました。しかし、延文4年/正平14年（1359年）の筑後川の戦いでは、征西大将軍である懐良親王を擁する菊池武光に大敗を喫し、大友氏の勢力は一時的に衰退しました。この戦いを境に、大友の名字呼称は惣領家が独占するようになりました。

当時の九州では、南朝勢力の菊池武光の勢いが強かったため、北朝側の氏時は、少弐頼尚と協力して菊池軍に対抗しました。

貞治3年/正平19年（1364年）に、所領所職を嫡男の氏継に譲り、応安元年/正平23年（1368年）に病に倒れて亡くなりました。

大友氏の分裂

家督は嫡男の氏継が継承しましたが、氏継は勢いのあった南朝側についたため、氏時の次男である親世は北朝に残りました。この結果、大友家は二派に分裂してしまいました。この分裂状態は、文安元年（1444年）に氏継の孫である大友親繁が両派の支持を受けて家督を相続するまで続きました。

大友氏時は、激動の南北朝時代を生き抜き、大友氏の勢力拡大に貢献した一方で、菊池氏との戦いでの敗北や、家督相続後の分裂など、大友氏に大きな影響を与えた人物と言えるでしょう。

もう一度検索