高崎山城

高崎山城は、大分県大分市に位置する高崎山に築かれた山城で、別名高崎城とも呼ばれています。この城は、豊後国を支配した大友氏の詰城としての役割を担い、海からそびえ立つ高崎山の山頂に築かれたことから、難攻不落の堅城として知られていました。当時の府内は、大友氏の居館である大友氏館や上原館が存在するのみで、本格的な城郭は存在しませんでした。そのため、戦時にはこの高崎山城が重要な拠点として利用されました。

現在、山頂付近には、主郭をはじめとする曲輪や土塁、そして狼煙台の遺構が残っています。また、南側山腹には、18条もの竪堀が掘られていたとされ、その遺構も確認することができます。これらの遺構は、高崎山城が堅固な守りを持つ山城であったことを物語っています。

高崎山は、古くは四極山と呼ばれ、奈良時代には烽火が置かれるなど、軍事的な要所として利用されていました。高崎山城の築城については、平安時代末期に安倍宗任によって築かれたという伝説が残っています。鎌倉時代初めに大友氏が豊後に下向した際には、在地武士である大神氏一族がこの城を拠点に激しく抵抗したと伝えられています。

文献に高崎山城が登場するのは、1349年のことです。1358年には、大友氏第8代当主である大友氏時によって本格的な整備が行われました。南北朝時代には、九州における北朝方の拠点として、南朝方の菊池氏との間で幾度となく戦いが繰り広げられました。1371年には、九州探題今川了俊の命により、嫡男の今川貞臣と田原氏能がこの城に入城し、翌年にかけて菊池武光・武政勢と激しい攻防戦を繰り広げました。

戦国時代に入ると、1518年には大友義鑑に対して叛旗を翻した朽網親満がこの城に立て籠もりましたが、佐伯氏らに追われて玖珠郡へと逃走しました。1586年の島津氏の豊後侵攻の際には、大友義統が戸次川の戦いに敗れた後、この城に入城し、さらに豊前竜王城へと敗走しています。

高崎山城は、1593年の大友氏改易後に廃城となりました。その石材は、福原直高による府内城築城に転用されたとされています。

高崎山城は、大友氏の歴史において重要な役割を果たした城であり、その遺構は中世の山城の様子を今に伝えています。現在では、ハイキングコースとしても親しまれており、歴史を感じながら自然を楽しむことができます。

もう一度検索