大友義乗

大友義乗：激動の時代を生き抜いた大友氏当主

大友義乗（おおとも よしのり）は、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した武将であり、大友氏の第23代当主です。父は大友義統（吉統）、母は吉弘鑑理の娘・菊姫。幼名は塩法師、通称は惣五郎といいました。諱は初め能述、後に能延、義延と改め、最終的に義乗としました。

生涯

豊臣秀吉との関係

義乗は幼少の頃から豊臣秀吉との関わりがありました。天正17年（1589年）には、父・吉統と共に聚楽第で秀吉に謁見しています。秀吉は義乗に食事を供するなど、厚遇しました。

文禄の役と大友氏の改易

文禄の役では、父・吉統が敵前逃亡の疑いをかけられ、秀吉の勘気を被ります。義乗も朝鮮に出陣し、大友氏の復権に尽力しようとしましたが、叶いませんでした。大友氏は豊後を改易され、吉統は毛利輝元に預けられることとなります。義乗は加藤清正、後に徳川家康の預かりとなり、最終的に家康に仕え、常陸国筑波郡などで3300石を与えられ、旗本となりました。

関ヶ原の戦いとその後

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、徳川軍の一員として宇都宮に進軍。家康から豊後一国の恩賞を約束され、旧領回復を目指しますが、父・吉統は西軍に属して挙兵し、石垣原の戦いで敗北。戦後、吉統は秋田実季の預かりとなり幽閉されましたが、義乗は家康から知行を与えられ、大身旗本として江戸幕府に仕えることとなりました。

死去とその後

慶長17年（1612年）に36歳で死去。長男・義政は早世していたため、次男の義親が跡を継ぎました。後に断絶しますが、再興し、高家として徳川氏に仕えました。

人物

義乗は、激動の時代の中で、大友氏の再興を願って奔走しました。豊臣秀吉、徳川家康という時代の権力者に仕えながらも、常に大友氏の存続を第一に考えて行動した人物と言えるでしょう。

偏諱を与えた人物

義乗は多くの人物に偏諱を与えています。

戸次述常
戸次延常
一萬田延続
大野延基
三田井延親
清田乗栄

これらの人物は、大友氏の家臣や関係者であり、義乗が彼らとの繋がりを大切にしていたことが伺えます。

まとめ

大友義乗は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての激動の時代を、大友氏の当主として、また武将として生き抜きました。豊臣秀吉、徳川家康という二人の天下人に仕え、大友氏の再興に尽力した彼の生涯は、多くの人々に感銘を与え続けています。

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