吉弘鑑理

吉弘鑑理（よしひろ あきまさ/あきただ）

吉弘鑑理は、戦国時代の武将であり、大友氏の家臣として活躍しました。吉弘氏は大友氏の庶流であり、田原氏の分家筋にあたります。初めは、主君であり義父となる大友義鑑と父・吉弘氏直から一字ずつを賜り、鑑直と名乗っていました。

若き日の台頭

天文3年（1534年）、父・氏直が勢場ヶ原の戦いで戦死したため、家督を継ぐことになります。同年、筑後国人による反乱が起こると、大友義鑑は鑑理を大将とし、田北左京進とともに鎮圧に派遣。西牟田城を攻め落とし、反乱を首謀した親毎・親氏父子を討伐しました。その後も、肥後菊池氏との戦いや、小原鑑元の反乱鎮圧などで活躍し、武将としての頭角を現しました。

大友氏の重臣として

弘治3年（1557年）頃から、大友宗麟の側近として重用されるようになり、臼杵鑑速や吉岡長増らとともに豊後の「三老」に数えられました。宗麟からの信任は厚く、筑前国での軍権を与えられ、のちに豊前、豊後の政治事項も任されるようになります。宗像氏との戦いや、毛利氏との門司城を巡る戦いなど、大友氏の主要な合戦の多くに出陣し、その武勇を轟かせました。

龍造寺氏との対決

永禄12年（1569年）には、龍造寺隆信の侵攻に対し、降伏の使者を一蹴。隆信が戸次鑑連に送った書状には「鑑理のような頼りにならない人はもういやだ」と記されているほど、その武将としての力量を恐れられていたことが伺えます。
多布施口の戦いでは龍造寺軍を破るも、病に倒れ、龍造寺氏を滅ぼす機会を逃してしまいます。

その死と遺産

元亀元年（1570年）の今山の戦いを最後に病に倒れ、翌元亀2年（1571年）に亡くなりました。その死を宗麟は深く惜しんだと伝えられています。
鑑理の死後、筑前の要衝である立花山城の城督には、当初子の鎮信が就任しましたが、後に戸次鑑連が選ばれ、立花道雪と名を改めました。

子孫

鑑理の子孫は多岐にわたり、嫡男の鎮信の他に、次男の鎮理（高橋紹運）や、娘婿の立花道雪、その養子となった立花宗茂など、後世に名を残す人物を多く輩出しました。娘の一人は大友宗麟の嫡男・義統の正室となり、大友氏の血統を守りました。また、多くの子孫が、大友家や立花家、柳川藩などで重きをなし、その家名を残しました。

まとめ

吉弘鑑理は、戦国時代の大友氏を支えた名将の一人であり、その武勇と政治手腕は、当時の人々から高く評価されていました。また、その子孫たちは、その後も歴史の中で活躍し、鑑理の名を後世に伝えています。

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