大友親著

大友親著（おおとも ちかあき / ちかつぐ）は、室町時代中期に活躍した武将であり、豊後国（現在の大分県）を拠点とする大友氏の11代当主です。守護大名としてもその名を知られ、室町時代の九州地方において重要な役割を果たしました。

生涯

親著は、叔父にあたる10代当主・大友親世（おおとも ちかよ）から家督を継承し、大友氏の当主となりました。豊後国の守護として領国を統治するだけでなく、筑後国（現在の福岡県の一部）の守護職も獲得し、大友氏の勢力拡大に大きく貢献しました。

大友氏には、一族内で複数の系統が交互に家督を継承する「両統迭立（りょうとうてつりつ）」という伝統がありました。親著もこの伝統を尊重し、親世の子である大友持直（おおとも もちなお）に家督を譲りました。

しかし、その後、持直が室町幕府6代将軍・足利義教（あしかが よしのり）に反抗するという事件が起こります。この時、親著は持直を支持し、足利義教方についた自身の息子・大友親綱（おおとも ちかつな）と対立するという事態に陥りました。これは、大友氏の内部における勢力争いを象徴する出来事として知られています。

偏諱を受けた人物

親著は、多くの家臣や一族に自身の名前の一字である「著」の字を与えました。これは、親著の権威を示すとともに、彼らとの結びつきを強めるためのものでした。以下に、親著から偏諱を受けた主な人物を挙げます。

大野著基（おおの あきもと）：豊後大神氏の一族である大野氏を継承しました。ただし、著基自身の出自については詳しいことは分かっていません。
魚返著成（おがえり あきなり）：豊後清原氏の流れを汲み、山田通綱（やまだ みちつな）の末裔である魚返忠成（おがえり ただなり）の子です。
斎藤著利（さいとう あきとし）：子孫に斎藤鎮実（さいとう しげざね）を輩出した豊後斎藤氏の当主です。親著と親綱の二代に仕え、その忠誠心を示しました。著利の子である綱実（つなざね）は、親綱から偏諱を受けています。
富来著茂（とみき あきしげ）
* 古庄著景（ふるしょう あきかげ）：大友親綱の子であり、親著の孫にあたります。古庄氏に養子入りしたものと考えられています。

大友親著は、室町時代の大友氏において、領国の拡大と安定に尽力した人物として評価されています。また、両統迭立の伝統を継承し、家臣や一族との関係を重視したことからも、その統治手腕が伺えます。

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