大友持直

大友持直：室町時代の武将、豊後大友氏12代当主

大友持直（おおとも もちなお）は、室町時代中期に活躍した武将であり、豊後国大友氏の12代当主です。

生涯

第10代当主・大友親世の子として生まれました。正確な生年は不明ですが、元服の際に室町幕府第4代将軍・足利義持から偏諱（「持」の字）を賜り、持直と名乗ったことから、1380年代から1400年代の間に出生したと考えられます。

従兄弟である第11代当主・大友親著から家督を継承し当主となりました。父・親世の正室の叔父にあたる大内盛見と対立し、少弐氏と連合して合戦の末にこれを討ち取りました。しかし、盛見が九州における幕府領の管理を担っていたことから、第6代将軍・足利義教の怒りを買い、持直は守護職を剥奪され、一族の大友親綱に与えられました。さらに、大内持世による持直追討軍が九州に派遣される事態となり、大友氏は持直方（持直、親著、大友親繁）と幕府方（親綱、大友親隆など）に分裂しました。

永享7年（1435年）からの姫岳合戦では、伊予国守護・河野通久を敗死させるなど強硬に抵抗しましたが、最終的に敗北し、以後の消息は不明です。没年についても諸説あり、はっきりしていません。なお、子である親常は詫摩氏（大友親秀の弟・能秀の血統）に養子入りし、その跡を継いでいます。

名前について

諱である「持直」の「持」の字は、前述の通り、将軍・足利義持から賜ったものです。一方、「直」の字については、大友氏の祖である大友能直に由来する大友氏の通字の一つと考えられています。一部では、外祖父にあたる戸次直光から直接一字を受けたとする説もあります。

後者の説の中には、直光を「なおみつ」ではなく「ただみつ」と読ませる説があります。これは、父・頼時と共に一時期南朝方に付いていた直光が、同じく九州で南朝方として活動していた足利直冬（足利尊氏の庶子）と菊池武光の両者から一字をもらってその名を名乗ったというものです。この説に従えば、直冬の「直」（尊氏の弟で直冬の養父である直義の一字に由来）を「ただ」と読むため、直光は「ただみつ」となり、その孫である持直は「もちただ」と読むことになります。

ただし、直光も大友能直の子孫であり、祖父である貞直およびその兄弟たちも「直」の字を使用していることから、確定できる史料がない限りは、「直」が直冬の偏諱であるとする説を正しいとみなすことは難しいでしょう。

偏諱を受けた人物

大野直基（おおの なおもと） - 豊後大神氏の一族、大野氏の当主。
小津留直行（おづる なおゆき） - 讃岐守。田北氏の支流である小津留氏の人物。
富来直賢（とみき なおかた） - 富来忠岑の子。娘は大友親綱の愛妾。
吉弘直意（よしひろ なおおき） - 吉弘氏第4代当主。吉弘鑑理は来孫にあたる。

大友持直は、激動の時代を生き抜き、大友氏の勢力拡大に貢献した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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