大和町 (台北市)

大和町（やまとちょう）

大和町は、日本統治時代の台湾、台北州台北市に存在した町丁です。現在の台北市中正区の中央部にあたり、当時の台北市の重要なエリアを占めていました。この町は、大和町一丁目から大和町四丁目までの区域で構成されていました。

概要

1935年10月1日時点での人口は1,502人、世帯数は290世帯でした。この数値から、当時の大和町は比較的規模の小さい地域社会であったことが窺えます。

地理

大和町は、おおむね現在の台北市中正区の中央に位置していました。この地域には、台北城を中心に、重要な金融機関や政治機関が集中していました。具体的には、現在の延平南路、中華路、開封街一段、漢口街一段、武昌街一段が、当時の大和町に含まれていました。特に、延平南路は日本統治時代には「大和町通り」と呼ばれ、この町を象徴する通りでした。

歴史

大和町の歴史は、台湾が日本の統治下にあった時代に遡ります。

年表

1922年（大正11年）4月1日：町名改正により、大和町一丁目、大和町二丁目、大和町三丁目、大和町四丁目が誕生しました。これにより、大和町という行政区画が正式に成立しました。
1937年（昭和12年）10月1日：西部標準時（グリニッジ標準時+8）が廃止され、日本標準時（グリニッジ標準時+9）に変更されました。これは、台湾の時刻制度が日本本土と統一されたことを意味します。
1945年（昭和20年）10月25日：日本が中華民国に降伏（台湾光復）したことにより、日本の町丁としての役割を終えました。同時に、台湾省行政長官公署下の臺北市が成立し、大和町は臺北市の一つの町名として扱われるようになりました。
1946年（民国35年）:
月日不明:「臺灣省各縣市街道名稱改正辦法」により、町名の改称が行われ、大和町は「撫台段」という名称に変更され、その歴史に幕を閉じました。
2月8日：台北市が城中区を設置し、大和町は光復里と撫台里（現在の光復里）に再編成されました。これにより、大和町という名称は完全に消滅しました。

町名の変遷

大和町の町名の変遷は以下のようになります。

1922年4月1日：大和町一丁目～大和町四丁目 誕生
1946年：撫台段へ改称、大和町廃止

施設

大和町には、様々な公共施設や企業が所在していました。以下に主な施設を挙げます。

公共施設

台北公会堂（大和町一丁目）：現在の台北市中山堂です。当時から文化的な活動の中心地でした。
台北南警察署（大和町一丁目3）：現在の台北市警察局中正第一分局にあたります。
私立成淵学校（大和町二丁目2）：現在の台北市立成淵高級中学です。教育機関として重要な役割を担っていました。

企業

台湾商工銀行（大和町四丁目1）：現在の第一商業銀行本店です。金融の中心として機能していました。

脚注

注釈

（特に記述なし）

出典

（特に記述なし）

関連項目

* 大和町 (曖昧さ回避): 日本国内にも複数の大和町が存在するため、曖昧さ回避ページが設けられています。


大和町は、日本統治時代の台湾における一地域であり、その歴史的な変遷は、台湾の近代史を理解する上で重要な要素の一つです。この町は、その後の台湾の発展の基礎となった地域の一つとして、歴史に名を刻んでいます。

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