大和錦幸男

大和錦幸男（やまとにしき ゆきお）

大和錦幸男は、1905年1月3日に奈良県磯城郡田原本町で生まれ、1970年4月10日に亡くなった大相撲力士です。本名は松原幸男といい、出羽海部屋に所属していました。身長173cm、体重124kgと、当時としては比較的がっしりとした体格でした。

生涯

1923年1月場所に初土俵を踏み、1930年5月場所には十両に昇進、1931年5月場所には新入幕を果たしました。しかし、その直後の1932年1月、春秋園事件により一時的に協会を脱退し、天竜らとともに活動する関西協会に所属しました。1937年8月には、関西角力協会主催の最後の本場所で優勝を果たしています。

1938年1月に十両格で復帰すると、すぐに再入幕を果たし、その後5年間、幕内中堅として活躍しました。右四つからの寄り身を得意とし、その相撲には味があったと評されています。羽黒山政司の大関昇進前後に3連勝したことが特筆される殊勲の星でした。1942年5月場所では、37歳というベテランながら優勝旗手を務めました。

1943年5月場所を最後に引退し、年寄千賀ノ浦を襲名しましたが、間もなく廃業し、故郷に帰ったと伝えられています。

主な成績

通算成績：193勝139敗1預24休 勝率.581

幕内成績：80勝81敗21休 勝率.497

現役在位：39場所（春秋園事件の1932年1月を含む）

幕内在位：14場所（春秋園事件の1932年1月を含む）

その他

大和錦幸男は、春秋園事件という相撲界の一大騒動を経験しながらも、復帰後は幕内で長く活躍した力士でした。37歳で優勝旗手を務めるなど、晩年までその実力は衰えなかったと言えるでしょう。

関連情報

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