大場

大場（おおば）

概要

大場とは、もともと広い場所を意味する言葉です。囲碁においては、一手で広い範囲を囲うことができる点を指す用語として用いられます。これは、布石段階において特に重要な概念であり、効率的に地を稼ぐ上で見逃せないポイントです。

囲碁における大場の意味

囲碁における大場とは、具体的には以下のような場所を指します。

アキ隅とシマリ: 隅は、最も地を稼ぎやすい場所であり、特にアキ隅やシマリは、序盤において非常に価値の高い場所です。
辺のヒラキ: 辺に石を配置し、自分の勢力範囲を広げるヒラキも、大場の一つです。
ヒラキヅメ: 辺のヒラキをさらに強化し、相手の侵入を防ぐ意味合いを持ちます。

これらの場所は、序盤で優先的に確保することで、後の展開を有利に進めることができます。しかし、実戦においては、単に広い場所を囲えば良いというわけではありません。大場の価値は、以下の要素によって微妙に変動します。

シマリの向き: シマリを打つ方向によって、その後の展開が変わります。相手の石の位置を考慮して、より効果的な方向を選ぶ必要があります。
三線と四線の関係: 三線は地を稼ぎやすく、四線は勢力を築きやすいという特徴があります。どちらを優先するかは、局面によって判断する必要があります。
幅の大小: ヒラキの幅によって、どれだけ勢力を拡大できるかが変わります。幅を広く取りすぎると、相手に侵入されるリスクも高まります。
打ち切った場所か発展性のある場所か: 既に確定している場所よりも、今後の発展性がある場所の方が価値が高い場合があります。

大場に関する格言

「生きている石の近くは小さい」（苑田勇一）という格言は、既に安定している石の近くは、あまり大きな価値がないことを示唆しています。つまり、まだ発展の余地がある場所や、相手の勢力と接している場所の方が、より価値が高いということです。

大場と急場の関係

大場は、布石段階において重要な概念ですが、必ずしも常に最優先されるわけではありません。急場（相手に大きな利益を与えてしまう場所）が発生した場合は、そちらを優先する必要があります。状況に応じて、大場と急場のバランスを考慮することが重要です。

まとめ

大場とは、囲碁において一手で広い範囲を囲える場所を指し、布石段階で重要な概念です。アキ隅、シマリ、辺のヒラキなどが代表的な大場であり、実戦では様々な要素を考慮して判断する必要があります。大場と急場のバランスを考えながら、効率的に地を稼ぎ、有利な展開を目指しましょう。

参考資料

石田芳夫『目で解く大場と急場 』誠文堂新光社　1989年
依田紀基『依田ノート―すぐに役立つ上達理論』講談社　2003年
大場 とは - コトバンク

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