大場俊一

大場俊一は、1941年11月26日に東京都で生まれました。彼はピアニストとしてだけでなく、教育者としてもその才能を発揮し、日本の音楽界に多大な貢献をしています。

音楽家としての歩み

大場は、東京都立杉並高等学校を卒業後、1965年に東京藝術大学音楽学部楽理科を卒業しました。在学中には、その卓越した才能が認められ、安宅賞を受賞しています。その後、1968年に西ドイツのデトモルト音楽大学へ留学し、研鑽を積みました。1969年には、西ドイツ新進演奏家オーディションに合格し、ギーセン音楽祭に出演するなど、国際的な舞台でも活躍しました。

1970年には、ザルツブルク夏期講座において、師であるギュンター・ヴァイセンボンの助手を務め、指導者としての経験も積みました。1972年に帰国してからは、独奏者としての活動はもちろんのこと、歌曲の伴奏者や室内楽奏者としても積極的に活動し、その音楽性は広く注目を集めました。

1983年には、20世紀最高のソプラノ歌手の一人であるエリザベート・シュヴァルツコップフのマスタークラスで、伴奏と通訳を務めるという貴重な経験もしています。大場は、黒沢愛子、瀬川慶子、野呂愛子、小林道夫、クラウス・シルデといった著名な指導者にピアノを師事し、ギュンター・ヴァイセンボンからは歌曲伴奏法や室内楽を学びました。

教育者としての活動

大場は、演奏活動と並行して、教育者としても長年にわたり活躍しました。1973年から2003年まで東京藝術大学の非常勤講師として歌曲伴奏法の講座を担当し、1977年から1993年までは埼玉大学の助教授を務めました。その後、1993年から2007年まで埼玉大学教育学部の教授として、音楽教育講座で後進の指導にあたりました。2004年から2007年には東邦音楽大学大学院で、伴奏法、ピアノアンサンブル、室内楽を担当しました。

その他の活動

2008年には、NHK/毎日新聞社主催の「日本音楽コンクール」の審査員を務めました。2011年から2013年にかけては、5回にわたるモーツァルトピアノソナタ連続演奏会を開催し、その演奏は高い評価を得ました。2012年には、日本音楽表現学会において「モーツァルトのピアノ曲の演奏法」についての講演と演奏を行い、研究者としての側面も示しました。

現在

2015年現在、大場は宇都宮市在住です。妻は宇都宮市教育委員長を務めています。2014年8月6日には、気仙沼市で「東日本大震災支援チャリティーコンサート」を開催し、被災地支援にも尽力しました。現在は、埼玉大学名誉教授、東京藝術大学同声会栃木県支部の会長、日本演奏連盟の会員として活動を続けています。

大場の音楽に対する深い造詣と、教育者としての熱意は、多くの人々に影響を与え続けています。

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