大天龍光則

大天龍光則 - 大相撲のスター力士

大天龍 光則（だいてんりゅう みつのり）、本名は富永 昭三（とみなが しょうぞう）は、1928年10月13日に佐賀県藤津郡多良村で生まれました。大相撲の世界で活躍し、二所ノ関部屋に所属していました。彼の身長は181cm、体重は102kgで、得意手には左四つ、上手投げ、吊りがあります。大天龍は、1958年及び1960年の5月場所において、最高位となる東前頭2枚目を記録しました。

力士としての歩み

大天龍は1948年の1月、大関であった佐賀ノ花の勧誘によって二所ノ関部屋に入門し、同年5月場所で初土俵を踏みました。当初の四股名は「多良錦」で、地元にちなんだ名前でした。初土俵の場所では、番付外で新序ながらも良い成績を収め、すぐに10月場所で序二段に昇進しました。彼はその後も順調に昇進を遂げ、1951年の1月場所で新十両に、さらに1953年の1月場所で新入幕を果たしました。

大天龍は、入幕後のわずか4場所で幕内に在位し、その後虫垂炎に見舞われたため一時的に十両に降格するも、すぐに幕内に復帰しました。1954年の3月場所では、11勝4敗の成績を残し、敢闘賞を受賞しました。彼の華やかなスタイルと見た目は他の力士たちとは一線を画し、身長が高く均整の取れた体型に加え、立ち姿が美しい力士として知られていました。

強靭な個性と逸話

大天龍は酒豪としても知られ、一度に日本酒を1斗飲むことができ、酒を心配するエピソードも残されています。このような豪豪しい性格から、彼は力士だけでなく、広く人々に愛される存在でした。また、弟弟子にあたる後の横綱・大鵬の教育係も務めました。

しかし1961年の7月場所では、2勝13敗と大きく負け越し、その結果、幕内から陥落しました。その後、再起を図るも幕内復帰は果たせず、1962年1月の場所を最後に引退しました。

引退後の人生

引退後、彼は親方として後進の指導にあたることになり、友綱親方が所有していた名跡の熊ヶ谷を名乗りました。その後、年寄名跡を浜風に変更しましたが、角界には1964年の5月場所限りで別れを告げました。引退後は、東京都港区赤坂で寿司屋、さらに大田区で割烹料理の「海山」を経営し、最終的には群馬県の草津町でペンション「ペンションタロー」を営むなど、様々な業界で成功した人生を送りました。

成績の概要

大天龍の通算成績は429勝441敗で勝率は0.493。幕内では298勝332敗を記録しました。三賞は1954年の敢闘賞を含め、合計で1回の受賞歴があります。さらに、金星も3つを獲得しており、さまざまな年代の力士と戦った実績を持っています。

力士としての華やかな成績と魅力的な人柄があったからこそ、彼は時代を超えて語り継がれる存在となっています。

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