「
大学一覧」とは、高等
教育機関として位置づけられる
大学について、様々な観点から情報を整理し、リストアップしたものの総称です。これには、国内外の
大学に関する多様な情報が含まれており、学術研究、
教育制度、歴史、所在地など、多岐にわたる側面から
大学を分類・比較・参照するための重要な資料となります。
分類と種類
大学に関する一覧は、その分類基準によって非常に多岐にわたります。
性格や機能による分類
大学の設立経緯や
教育・研究の性格に基づいた分類があります。歴史的な視点から見れば、中世ヨーロッパに起源を持つ「
中世大学」や、それ以前の
教育機関を指す「
古代の大学」といった概念があります。現代の
大学では、幅広い分野を網羅する「総合
大学」と、特定の専門分野に特化した「単科
大学」に分けられます。
設立主体による分類
大学の設置・運営主体によっても分類されます。国家によって設置・運営される「
国立大学」、地方公共団体によって設置・運営される「
公立大学」、学校法人などの私的な団体によって設置・運営される「私立
大学」が代表的なものです。それぞれに特色や役割があり、多くの国で高等
教育システムを構成しています。
歴史的な分類
日本の高等
教育史においては、戦前の
教育制度に基づく「旧制
大学」や「
旧制専門学校」、さらに海外植民地における「旧外地の高等
教育機関」といった分類が存在します。戦後の
学制改革を経て誕生したのが現在の「新制
大学」です。これらの歴史的な分類は、日本の
大学制度の変遷を理解する上で重要です。
教育・研究方針による分類
特定の
教育・研究方針を持つ
大学も一覧化されることがあります。例えば、高度な研究活動に重点を置く「研究
大学」、実践的な職業
教育や地域貢献を重視する「
コミュニティ・カレッジ」(主に米国など)、幅広い教養
教育に重点を置く「
リベラル・アーツ・カレッジ」(主に米国など)、
大学院課程に特化した「
大学院
大学」などがあります。また、教員養成を主な目的としていた「師範学校」(現在は多くが
大学に統合)といった歴史的な機関も存在します。
地域による分類
特定の地域に存在する
大学をまとめた一覧は、国内外の
大学情報を探す上で最も一般的かもしれません。「各国の
大学一覧」は国別に
大学をリストアップしたものであり、「日本の
大学一覧」はその代表例です。日本の
大学一覧には、探しやすさから「日本の
大学一覧 (五十音順)」のような形態もあります。さらに、世界の
大学を規模や影響力で捉えた「世界の大規模
大学の一覧」なども作成されます。
「
大学一覧」に関連して、特殊な位置づけを持つ機関として「
国際連合大学(United Nations University, UNU)」があります。「国連
大学」と略されることもあります。この機関は、
国際連合総会の決議に基づいて設立されたもので、従来の
教育機関というよりは、国際社会が直面する地球規模の課題解決に向けた研究や政策提言を行う
シンクタンクとしての性格を強く持っています。本部は日本の
東京都に置かれています。
国際連合大学は、日本の
学校教育法に定められる一般的な意味での「
大学」とは異なります。しかし、「
国際連合大学本部に関する国際連合と日本国との間の協定の実施に伴う特別措置法」という国内法によって、その名称に「
大学」を使用することが特別に認められています。また、
国際連合大学が授与する学位も、日本の
大学で授与される学位と同等とみなされており、その
教育・研究水準の高さが公的に認められています。
関連事項と外部情報
大学一覧は、日本の「
学制改革」のような高等
教育制度の大きな変革や、「外国
大学の日本校」といった国際的な高等
教育の動向とも関連が深いです。また、世界の
大学を比較評価する試みとして、様々な機関が「世界
大学ランキング」を作成しています。例えば、上海交通
大学高等
教育研究所による「ARWU (Academic Ranking of World Universities)」や、Quacquarelli Symonds (QS)による「QS World University Rankings」などが広く知られており、これらのランキングも
大学に関する一覧情報の一部と見なすことができます。
このように、「
大学一覧」は単なるリストではなく、
大学という複雑で多様な高等
教育システムを理解するための多様な切り口を提供してくれる情報源なのです。