大宮神社 (大阪市旭区)

大宮神社

大宮神社は、大阪市旭区大宮に位置する神社で、かつては村社でした。この神社の創建は、源義経にまで遡ると伝えられています。

歴史

創建と伝承

伝承によると、寿永元年（1185年）2月、平家追討の途上にあった源義経がこの地で宿を取った際、宇佐八幡神の霊夢を見たと言われています。目覚めると、梅の木に鏡がかかっており、義経がそれを手にすると、軍神であり源氏の氏神でもある八幡神の力を得たと感じ、その鏡を奉じて平家を打ち滅ぼしたとされています。この出来事を後鳥羽天皇に奏上したところ、神社の建立が許され、この地に大宮八幡宮が創建されたと伝えられています。また、摂津誌には「南島神社」と記されています。

豊臣秀吉による保護

天正11年（1583年）に羽柴秀吉によって大坂城が築かれると、大宮神社は大坂城の鬼門守護神とされ、秀吉の保護を受けました。これにより、境内の整備が行われ、毎年1月、5月、9月には幣帛が献じられ、大いに栄えたとされています。

江戸時代

江戸時代にも引き続き大坂城の鬼門守護神とされ、大坂城代の交代時には当社への参拝が行われました。毎年1月には初穂料、5月、9月には大幣が献じられましたが、社殿などは年を追って衰微していきました。しかし、天明年間（1781年 - 1789年）と寛政年間（1789年 - 1801年）に祠官の廣渕善直が社殿・境内の復旧に尽力し、中興を果たし、従五位下に叙せられました。

明治時代以降

明治時代になると、大宮神社は村社に列せられました。明治時代の末期には、近隣にあった十五神社や森小路神社など七つの神社が合祀され、非常に多くの神々が祀られるようになりました。そのため、1912年（明治45年）4月には、大宮八幡宮から大宮神社へと名称が変更され、鳥居に掛かっていた「大宮八幡宮」の額は降ろされました。現在、その額は神輿庫に保管されています。

近年の発見

2020年（令和2年）5月、修復中の摂社・高良社から等身大の豊臣秀吉（豊国大明神）坐像が発見されました。社伝では、大坂夏の陣の際に大坂城から運ばれたものとされていましたが、実際には17世紀中頃に制作されたものとされています。束帯姿で像高は81.9センチメートルありますが、頭上の冠は失われています。近現代に作られた秀吉像を除けば最大のものであり、文政6年（1823年）には、当時秀吉の人気が高まっていたこともあり、当社で秀吉像の御開帳が行われたことが記録されています。その後、この像は高良社に移されたようです。

祭神

大宮神社の主な祭神は以下の通りです。

主祭神: 応神天皇、神功皇后、姫大神
合祀神: 大国主神、事代主神、速素盞男神・二座、応神天皇・二座、菅原道真公、十五社大神（天照皇大神、八幡大神、住吉大神、賀茂大神、廣田大神、松尾大神、熊野大神、稲荷大神、三十川大神、春日大神、白山大神、大原野大神、子守大神、布留大神、生野大神）
相殿神: 鬼門守護社（鬼門守護大神）、天御中主社（天御中主神・二座）、天満神社（菅原道真公）、稲荷神社（宇迦之御魂神）

境内

大宮神社の境内には、以下の建造物があります。

本殿: 1936年（昭和11年）再建。
神門
拝殿: 1930年（昭和5年）再建。
遥拝所: 伊勢神宮、宮中三殿、天皇陵その他大社を拝する場所。
社務所
神輿庫

摂末社

高良社・豊国社: 高良社祭神は高良大神、豊国社祭神は豊国大明神。1936年（昭和11年）再建。元々は高良社でしたが、2020年（令和2年）5月に社殿を修復中に豊国大明神坐像が発見されたことにより、翌2021年（令和3年）から正式に豊国大明神も祀られるようになりました。
稲荷社: 祭神は宇迦之御魂神
若宮八幡宮: 祭神は仁徳天皇
楠社: 祭神は楠大神
北斗社: 祭神は北斗大神
春日社: 祭神は春日大神、住吉大神、廣渕善直命
いぼ大神社: 祭神はいぼ大神。モチの木。
行者社: 祭神は役小角命。神仏習合の名残り。

祭事

大宮神社では、以下の祭事が執り行われます。

大宮えびす祭: 1月
夏まつり: 7月
秋まつり: 10月

文化財

大宮神社には、以下の文化財があります。

大阪市指定有形民俗文化財：伝豊国大明神坐像 - 2021年（令和3年）3月28日指定。近世の大阪で秀吉が篤く信仰されていたことを示す貴重な史料です。
大阪市指定有形民俗文化財：大宮神社神像群一括 6軀 - 2023年（令和5年）5月16日指定。
男神坐像: 束帯姿で、元文2年（1737年）の奉納銘がありますが、制作年代は中世に遡ります。大阪市域でも古様な神像の作例です。
稲荷神立像及び二狐: 老相の稲荷神です。
童子形神立像: 仁徳天皇像として祀られていた可能性があります。
鎮宅霊符像: 北斗社の神体であった可能性があります。

交通アクセス

大阪メトロ谷町線 千林大宮駅2番出口より徒歩6分
京阪本線 千林駅より徒歩16分

参考文献

角川日本地名大辞典 27 大阪府　角川書店
大宮神社由緒書

外部リンク

* 大宮神社 大阪市旭区鎮座 のホームページ - ウェイバックマシン (2015年1月3日アーカイブ分、公式サイト)

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