大山盛保

大山 盛保の生涯と業績

大山盛保（おおやま せいほ）は1912年11月2日に沖縄県で生まれ、1996年にその人生を閉じた実業家であり、アマチュア考古学者としても知られています。彼はガソリンスタンドの経営を行いながら、考古学と古生物学への情熱を注ぎました。特に、沖縄の港川遺跡での発掘作業を通じて、旧石器時代の人類「港川人」の人骨を発見するなど、数々の業績を残しました。その功績が認められ、2012年には日本人類学会から学会功労賞を受賞し、故郷の北中城村には彼の生誕100年を記念した碑が築かれました。

成長とカナダでの暮らし

大山盛保は、大山盛善・カメ夫妻の長男として沖縄県中城村に誕生しました。彼の一族は、琉球王国の忠臣として知られる護佐丸の子孫とされ、歴史的な背景を持っています。小学校を卒業後、1927年に家族がカナダへ移住しました。最初はバンクーバーに住んでいましたが、その後ホワイトロックやカグランへと移り、農園を営むことになります。しかし、最初は経済的に厳しい状況が続きました。ところが、いちご栽培に成功し、1937年には運送業を立ち上げるまでに成長を遂げました。

第一次世界大戦の影響を受け、1941年には太平洋戦争が勃発します。大山家は海岸部から退去を命じられ、内陸にある強制収容所へと移送されました。彼の農園も収容され、家族はそれぞれ離れ離れになりましたが、1942年に再び自由を得て、別の農業に従事しながら困難な時期を乗り越えました。

沖縄へ帰郷

終戦後の1946年、大山盛保は琉球列島の米国統治下で中城村に帰り、米軍の通訳として働き始めました。その後、彼は那覇港湾労務所の建設に関与し、ペリー区の命名も手がけました。1947年には、沖縄労働者の総支配人として活動を続け、地域の労働環境の改善に努めました。

その後の彼の運送業のスキルが認められ、1950年に弟の盛和と共に「OK運輸合資会社」を設立。この運送業界での地位を確立した後、琉球で初となる民間給油所「OK泊給油所」の開設に成功しました。その後、沖縄住宅公社の総支配人を務め、地域の発展に寄与しました。

化石調査への取り組み

実業家としての成功を収めた大山盛保ですが、彼の考古学への関心は1967年に発芽します。55歳の時、彼は化石調査を始め、特に港川遺跡での発掘に情熱を傾けました。この取り組みが功を奏し、彼は港川時代の重要な遺物や人骨の発見に寄与しました。彼の研究と業績は、沖縄のみならず日本の考古学界にも大きな影響を与えました。

彼の生涯にわたる功績は認められ、遺族や地元住民と共に彼を称える記念碑が故郷に建立され、今も多くの人々に語り継がれています。大山盛保の物語は、多様な経験と人間の好奇心がいかに歴史を形作るかを示すものです。

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