大山綱介

大山綱介

大山綱介（おおやま つなすけ）は、嘉永6年1月22日（1853年3月1日）に生まれ、明治44年（1911年）8月21日に亡くなった、日本の外交官です。彼は、駐イタリア公使としてその名を知られています。

生涯

薩摩国川辺郡加世田村（現在の鹿児島県南さつま市）出身の大山綱介は、明治8年（1875年）に外務省に入省しました。外交官としてのキャリアをスタートさせた彼は、西南戦争の際には、柏田盛文や安楽兼道と共に警視として西郷軍の説得を試みるなど、初期からその行動力が際立っていました。

その後、イタリア公使館附、フランス公使館附を歴任し、外務書記生、外務書記官、公使館書記官、外務大臣秘書官、そして弁理公使といった要職を歴任しました。そして、明治32年（1899年）には駐イタリア公使に任命され、その外交手腕を発揮しました。

大山綱介の妻、久子は、ジャコモ・プッチーニがオペラ「蝶々夫人」を制作するにあたり、日本の事情を取材する上で重要な役割を果たしました。プッチーニは、久子から日本の文化や風習について直接話を聞き、作品のリアリティを高めることに成功しました。このエピソードは、大山綱介と久子の国際的なつながりと、文化交流における貢献を示しています。

明治44年（1911年）、大山綱介は心臓病、神経衰弱、脳病を併発し、その生涯を閉じました。

栄典

大山綱介の功績は、その死後も称えられています。

位階

1911年（明治44年）8月22日 - 従三位

勲章等

1891年（明治24年）12月22日 - 勲六等瑞宝章
1902年（明治35年）12月28日 - 旭日小綬章

親族

大山綱介の親族には、著名な人物がいます。

野村素介：妻・久子の父であり、男爵、貴族院議員として活躍しました。
沢田節蔵：娘・美代子の夫であり、駐ブラジル大使を務めました。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第3版』人事興信所、1911年。
『『蝶々夫人』と日露戦争 - 大山久子の知られざる生涯』萩谷由喜子、中央公論新社 (2018/2/21)

関連事項

聖母の園養老院火災：大山綱介の没後、夫人の久子がこの火災に巻き込まれて亡くなっています。この事件は、大山家の悲劇を物語る出来事として知られています。

大山綱介は、激動の時代を外交官として生きた人物であり、その功績は日本の歴史に深く刻まれています。彼の生涯は、日本の近代化と国際交流の歴史を理解する上で重要な手がかりとなるでしょう。

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