大山郁夫

大山 郁夫について

大山郁夫（おおやま いくお、1880年9月20日 - 1955年11月30日）は、日本の著名な政治家および政治学者です。兵庫県赤穂郡の医師の家に生まれ、17歳の時に神戸の米穀商の養子となり、大山姓を名乗るようになりました。彼は東京専門学校に入学し、在学中に早稲田大学の政治経済学部へと改編され、1905年には首席で卒業しました。その後、シカゴ大学やミュンヘン大学に留学し、1914年から早稲田大学で教授として政治学を教えることになります。

教職と政治活動

早稲田大学での教職時代、彼の講義「大山さんの政治学」は非常に人気があり、午前8時という早い時間にもかかわらず多くの学生が参加しました。大山はその後、左派無産政党である労働農民党の委員長に就任し、党の発展に尽力しました。彼のリーダーシップのもと、労農党は「輝ける委員長」の愛称で親しまれるようになりました。

しかし、1928年に行われた衆議院選挙では、選挙干渉や暴力的な弾圧に直面し、思うような結果を得ることができませんでした。この年の選挙過程では、彼自身が右翼の集団に襲撃され、負傷するという事件も発生しました。その後、1930年の総選挙では新労農党から当選を果たしましたが、党内での意見の対立や外部の批判が彼を苦しめました。

亡命と帰国

1932年、大山はアメリカに亡命し、ノースウェスタン大学で研究に従事しました。彼はその後、1947年に日本に帰国し、1950年の参院選に立候補して当選しました。選挙戦では日本社会党や日本共産党からの支援を受けた彼は、再び政治の中で活動を開始しました。1951年にはスターリン国際平和賞を受賞しています。

最晩年

大山郁夫は1955年に硬膜下血腫のため亡くなりました。彼の墓所は東京の小平霊園にあります。彼の家族には医師の実父と、米穀商の養父、また満洲国大連税関長を務めた実弟がいます。彼の妻や子どもたちも様々な職業に従事しており、家族全体が影響力を持っていました。

著作

大山は多くの著書を発表しています。代表的な著書には『政治の社会的基礎 国家権力を中心とする社会闘争の政治学的考察』や『民族と階級』などがあり、いずれも政治や社会に関する深い考察がなされています。彼の著作は、当時の政治思想や社会運動における重要な資料と評価されています。

未だに専門家や研究者たちによって引用され続けている大山の業績は、日本の政治学の発展に大きな貢献を果たしたことは疑いありません。

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