大島 (砲艦)

大島（おおしま）

大島は、日本海軍に所属していた砲艦で、その名は伊豆諸島の大島から由来しています。この艦は1892年に竣工し、主に日清戦争と日露戦争に参与しました。特に、黄海海戦や旅順の攻略作戦など、重要な戦闘に参加することで、その存在感を示しました。しかし、日露戦争中の1904年に、旅順沖で濃霧に覆われていた際に、同じく海軍に所属する砲艦「赤城」と衝突し、沈没しました。

概要

大島は、艦の設計を手掛けたベルタンにより計画され、呉鎮守府造船部小野浜分工場で建造されました。この砲艦は「愛宕」の改良型とされ、排水量は640トンで、出力は1,200馬力、速力は13ノットを計画していました。しかし、実際の建造後の公試運転では、その性能が計画どおりには達成されませんでした。特に、機関の振動が激しく、発生蒸気量にも問題があったため、出力と速力は計画を下回りました。

特徴

大島の機関は、艦艇の中で初めて直立式機械が採用され、蒸気圧力は160 psiに設定されていました。このような設計は、当時の技術の進歩を反映していますが、実際に運用する際には機関の振動や蒸気発生の問題が生じました。ボイラーには汽車缶が2基装備され、他には復水器や推進機関などが搭載されていました。加えて、艦の兵装も他艦と同等かつ高威力の砲が備え付けられていました。

兵装と防御

大島の砲熕兵装は他の艦船と類似しており、特に艦首砲には38口径の大砲が装備されていました。ただし、他の3門は32口径の砲です。防御面では、機関部には厚さ30mmの防護が施されましたが、全体的な防御力は他の艦に比べて劣っていたと言われています。

艦歴

大島の建造は1888年から始まり、1893年までに朝鮮での警備任務にも従事しました。日清戦争では常備艦隊に編入され、各地で活動しました。1895年以降は非役艦とされる時期もありましたが、再び韓国や清国の警備任務に従事しました。

その後も大島は様々な修理や改修を受けながら任務を続けましたが、日露戦争に突入するとその運命はさらに厳しくなりました。具体的には、1904年の日露戦争開戦後、より激化する戦闘に直接関与することになり、最終的には旅順沖での衝突に至ります。

結果

1904年5月18日に旅順沖で沈没した大島は、艦艇としての役割を全うしました。艦歴の中でのさまざまな出来事や技術改革は、当時の海軍艦艇の発展に寄与する重要な証拠となっています。大島の存在は、日本海軍の歴史の中で重要な一部を成しており、これに関する研究や記録は今でも多くの海軍の専門家たちにより続けられています。

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