大平一里塚

大平一里塚

大平一里塚は、愛知県岡崎市大平町に位置する、かつての東海道に設けられた一里塚です。昭和12年（1937年）12月21日に、その歴史的価値が認められ、国の史跡として指定されました。

概要

大平一里塚は、西大平を治めていた本多重次の嫡男である本多成重によって築かれました。築造当初は、街道の両側に一対の塚が設けられていましたが、昭和3年（1928年）の道路改修工事により、北側の塚は残念ながら取り壊され、現在は南側の塚のみが残っています。

現存する南塚は、高さが約2.4メートル、底部は縦約7.6メートル、横約8.5メートルの菱形をしています。かつては、樹齢350年を超えるエノキが塚の中央に生い茂り、典型的な一里塚の風景を創り出していましたが、昭和28年（1953年）の台風によって倒れてしまいました。現在は、二代目の若木が力強く成長し、往時の風情を今に伝えています。

長年にわたり、塚の周囲の石垣は崩れ、荒れた状態でしたが、昭和45年（1970年）に修復が行われました。塚の周りには高さ1メートルの石垣が新たに築かれ、鎖で囲んで保護するとともに、内部には玉石が敷き詰められました。

江戸時代には、南塚の前に石垣を積み上げ、柵を設けて高札を掲示することがあり、そこは高札場と呼ばれていました。また、参勤交代のために諸大名が通過する際には、岡崎藩から使者が派遣され、上りには北側、下りには南側に控えて送迎の礼を行う場所でもあり、御使者場とも呼ばれていました。大名行列の際には重要な役割を果たしていたことがうかがえます。

交通アクセス

名鉄バス「大平西町」バス停から徒歩ですぐ

参考文献

『新編岡崎市史20（総集編）』 新編岡崎市史編集委員会 1993年

関連項目

* 中部地方の史跡一覧

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