大成正雄

大成 正雄（おおなり まさお）は、日本の政治家です。1921年11月23日、現在のさいたま市にあたる埼玉県北足立郡三橋村に生を受けました。学業を浦和商業学校で修了した後、中央大学の専門部経済科に進みましたが、こちらは中途退学しています。

キャリアの出発点は、国鉄大宮工場への勤務でした。しかし間もなく軍隊に召集され、陸軍中尉として第二次世界大戦の終戦を迎えます。戦後、再び国鉄大宮工場へと戻り、その労働組合で活動。熱心に組合運動に取り組み、書記長という要職に就きました。この時期、日本社会党に入党しています。

地方政界への第一歩は、1947年の大宮市議会議員選挙での当選でした。市議会議員を2期にわたり務めた後、労働組合および日本社会党から離れ、衆議院議員を務めていた福永健司氏の秘書として経験を積みました。1959年には埼玉県議会議員選挙に当選し、ここから3期、長期にわたり県政に携わることになります。県議時代には議長も経験し、地方自治における指導的な役割を果たしました。

国政への志を抱き、地方政治での実績を背景に、より大きな舞台での活動を目指します。1971年には大宮市長選挙に保守系無所属候補として出馬しましたが、残念ながら当選は叶いませんでした。続いて1974年の第10回参議院議員通常選挙においても、埼玉県選挙区から自由民主党の公認を得て立候補しましたが、こちらも議席を獲得することはできませんでした。

しかし、挑戦は続きます。1976年の第34回衆議院議員総選挙では、埼玉5区から新自由クラブ公認候補として立候補し、ついに初当選を果たし、念願の国政進出を達成しました。衆議院議員として1期務めましたが、その後新自由クラブを離党。1979年の第35回衆議院議員総選挙には無所属候補として出馬しましたが、再び議席を得ることはできませんでした。

政治家としての活動と並行して、実業界においても重要な役割を担いました。埼玉金属加工協同組合や県南卸売団地協同組合で理事長を務め、地域産業の振興に尽力。また、大宮商工会議所では専務理事として、商工業の発展に貢献しました。

長年にわたる公共への貢献が認められ、1992年春の叙勲において、勲三等瑞宝章が授与されました。大成正雄氏は1993年4月23日に71歳で死去しました。死去した当日付で、その功績に対し、位階が正八位から従五位に進められています。

国鉄職員から地方政界、そして国政へと転じ、地域の発展と国政に貢献した生涯でした。

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