大戦略シリーズ

大戦略シリーズ

大戦略シリーズは、1985年にシステムソフトから発売された『現代大戦略』を起源とする日本のウォー・シミュレーションゲームです。このゲームはPC-9800シリーズ向けに展開され、以降、さまざまなプラットフォームに移植されてきました。2020年時点での版権は、システムソフトから分社されたシステムソフト・アルファーに属し、その後、日本一ソフトウェアの傘下にあるシステムソフト・ベータが所有しています。これにより、家庭用ゲーム機でも移植が行われており、異なるメーカーからの独自作品も見受けられます。

ゲームの特徴

大戦略シリーズの最大の特徴は、通常のウォー・シミュレーションゲームがマップ上に配置されたユニットのみを使用するのに対し、プレイヤーが自軍のユニットを生産できる点です。六角形（ヘクス）で区切られたマップで、兵器を生産し、歩兵をトラックや輸送ヘリで前線に送り込むことが基本の戦略となります。また、占領した都市から得られる資金を用いてさらなる兵器を追加生産することが可能です。基本ルールは、敵本拠地を占領することで勝利となります。

各ユニットには攻撃と防御においての相性があり、例えば攻撃ヘリには制空戦闘機、制空戦闘機には対空車両といった具合に、優位な兵器を使用することが勝利のカギとなるのです。

ゲームの進化

シリーズは多数のナンバリング作品を生み出しており、その内容はゲーム毎に大きく異なります。例えば、1985年に発売された初代『現代大戦略』は、ユニットに経験値が与えられ、戦闘経験を得ることで能力を向上させられるシステムを採用していました。これにより、後のシミュレーションRPGジャンルの先駆けともなった要素が導入されています。

また、同じシリーズ内でもターン制からセミリアルタイム制への移行や、索敵の概念の導入など、新しいシステムの導入が行われています。最初の作品では全体を見渡せたマップも、後の作品では敵ユニットを視認するためには索敵が必要になるという、よりリアルな要素が強化されています。

拡張と変遷

システムソフトは新作を発表するたびに新たな仕組みを追加し、マニア向けの方向へと進化させていきました。しかし同時に、新規プレイヤーの獲得のためにシンプルなシステムを持つ初心者向けシリーズも展開され、幅広いユーザーを引きつけています。特に近年では、オンライン対戦やリアルタイム性の高いタイトルが人気を博しています。

ゲームは現代兵器を使用した架空戦の他にも、第二次世界大戦をテーマにしたシリーズや、ファンタジー要素を取り入れた作品など、多彩なバリエーションが存在します。特に『アドバンスド大戦略』シリーズは、より高度でリアリティのある戦略が求められる作品として知られています。

良い面と課題

初期の作品にはいくつかのゲームバランスの欠点が存在しましたが、これらは後の作品において改善されています。特に航空ユニットが地上ユニットに囲まれると動けなくなるという問題は、後のリリースで解消されています。これにより、シリーズ全体の評価も向上していきました。

ファンからは、未だに熱心な支持を受ける一方、新しいシミュレーションゲームが登場することで、その影響力が薄れてきているのも事実です。しかしながら、シリーズの特徴的な戦略を楽しむ機会は今なお健在で、ユーザーたちに独自のゲーム体験を提供し続けています。

まとめ

大戦略シリーズは、その革新的なゲームプレイと多様なバリエーションにより、ウォー・シミュレーションゲームの重要な一翼を担っています。日本国内でのゲーム文化の中で、シミュレーションゲームというジャンルを確立し、多くのファンに愛され続けています。多くの新作が今後も登場することが期待され、さらなる発展が望まれています。

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