大日寺 (徳島市)

大日寺について

大日寺（だいにちじ）は、徳島県徳島市一宮町に位置する真言宗大覚寺派の寺院で「大栗山」や「花蔵院」とも呼ばれています。本尊は十一面観音菩薩で、四国の八十八箇所巡礼の第十三番札所、また四国三十三観音霊場の第五番札所としても知られています。

本尊とご詠歌

本尊の真言は「おんまかきゃろにきゃ　そわか」で、寺院のご詠歌には「阿波の国一の宮とはゆうだすき　かけて頼（たの）めやこの世のちの世」と記されています。大日寺の納経印は、当寺本尊、新奥之院である國中寺、及び四国三十三観音霊場に由来しています。

歴史

大日寺の歴史は815年（弘仁6年）まで遡ります。この年、空海が近くの「大師が森」で護摩修行中、大日如来が現れてこの地が霊地であることを告げ、寺が創設されるように伝えたと言われています。その後、本尊として大日如来が本堂に安置され、寺の名も「大日寺」となりました。

元々の位置は國中寺に所属し、別当寺として船尽神社と関連がありました。平安時代の末期には、当時の阿波一宮が不便であるとしてこの地に移設され、当寺も別当寺としての役割を担うことになりました。しかし、南北朝時代には一宮城が建設され、続いて戦乱で当寺も焼失を受けました。

江戸時代初期には、徳島藩三代藩主であった蜂須賀光隆が当神社と寺を再建しました。さらに明治初期には神仏分離が進み、未だ秘仏とされていた十一面観音が本堂に移され、以降、神社の別当寺である役割は失われました。

2008年には、珍しく外国籍の住職である金昴先が就任し、注目を集めました。

境内

大日寺の境内には、さまざまな施設があります。まず、山門は薬医門であり、最近新たに四脚門が整備されました。本堂には、本尊の十一面観音が秘仏として祀られていますが、2014年からは一般の信者も拝顔可能となりました。他にも、脇陣には青面金剛と阿弥陀如来の立像、その周囲には観音立像と大師像が配置されています。また、大師堂や地蔵堂、しあわせ観音なども境内に存在し、参拝者を迎え入れています。

交通とアクセス

大日寺へのアクセスは、鉄道やバスが便利です。四国旅客鉄道（JR四国）では府中駅から約4.1km、または徳島バスを利用することもできます。自動車でのアクセスは徳島自動車道の藍住ICや四国道からも可能です。

周辺の観光

当寺の近くには一宮城の登城口もあり、整備された道を通って本丸まで訪れることができます。このように、大日寺は豊かな自然と歴史を感じられる場所に位置しており、訪れる人々にとって神秘的な体験を提供しています。

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