大日本報徳社

大日本報徳社について



公益社団法人大日本報徳社は、二宮尊徳報徳[[思想]]を信条とする日本の公益法人です。全国各地に存在する報徳社を統括する役割を担い、その活動は多岐にわたります。設立は1875年明治8年)に遠江国報徳社として始まり、静岡県掛川市に本部を置いています。

概要



大日本報徳社の本社は、静岡県掛川市に位置しています。2001年から長らく元掛川市長の榛村純一氏が社長を務めていましたが、2018年に逝去。その後、鷲山恭彦氏が第8代社長に就任しました。もともと静岡県教育委員会所管の社団法人でしたが、現在は内閣総理大臣認定の公益社団法人として、報徳[[思想]]の普及活動を中心に展開しています。

報徳[[思想]]は、江戸時代後期の農政家である二宮尊徳が提唱した思想で、勤労、節約、分度、推譲を基本としています。この思想は、小田原藩財政改革や農村復興運動に活かされ、その後の日本の近代化に大きな影響を与えました。大日本報徳社は、この思想を現代社会に浸透させるため、全国の報徳社を統括し、各種事業を展開しています。

特筆すべきは、皇室との深い繋がりです。昭和5年には昭和天皇が本社に行幸し、昭和13年には有栖川宮家の邸宅が宮内省から下賜され、東京から本社へ移築されるなど、歴史的な出来事も多く残っています。

大日本報徳社建造物群



大日本報徳社の敷地は、掛川城の東側に位置し、かつては掛川藩士の屋敷があった場所とされています。敷地内には、大講堂、正門、仰徳記念館、仰徳学寮など、歴史的な建造物が数多く存在します。これらの建造物は、報徳[[思想]]を具現化する象徴であり、日本の近代建築史においても重要な価値を持っています。

建築の経緯


大日本報徳社の敷地は、廃藩置県後、二宮尊徳の弟子である岡田佐平治の子、良一郎が始めた掛川農学社の所有地となりました。その後、農学社の学寮や無尽蔵舎などが建てられ、明治17年には遠江国報徳社の第3館となりました。明治34年には、掛川の第3館に公会堂を建築することが決定し、明治44年には遠江国報徳社を大日本報徳社に改称。大正13年には全国の報徳社が大合同し、昭和初期にかけて敷地内に報徳図書館や仰徳館などが建設され、現在の姿になりました。

大講堂(遠江国報徳社公会堂)


大講堂は、大日本報徳社の中心的な建物で、明治35年に建設されました。木造2階建ての入母屋造りで、洋風の意匠も取り入れられた独特のデザインが特徴です。内部には、二宮尊徳佐藤信淵を祀る「先聖殿」と「先農殿」が設けられています。講堂は、報徳[[思想]]の普及のための常会や、報徳学園の講義、結婚式場など、様々な目的で使用され、地域の重要な文化施設としての役割を担ってきました。昭和36年、昭和52年に改修工事が行われ、平成16年からの解体修理を経て、平成21年6月30日に国の重要文化財に指定されました。

正門(道徳門と経済門)


正門は、明治42年に建設された花崗岩製の門柱で構成されており、右に「道徳門」、左に「経済門」と刻字されています。これは、報徳[[思想]]における道徳と経済の調和を象徴しており、報徳の教えの根幹を表現しています。

仰徳記念館


仰徳記念館は、明治17年に有栖川宮熾仁親王邸として建てられたもので、昭和13年に大日本報徳社に下賜され、移築されました。木造平屋の建物で、檜や欅などの高級木材が使用されています。

仰徳学寮


仰徳学寮も、もともとは有栖川宮邸の一部であり、その後、霞が関離宮の一部や帝室林野局仮庁舎として使用され、昭和13年に大日本報徳社に移築されました。

歴史と関連人物



大日本報徳社は、二宮尊徳思想を受け継ぐ多くの人々によって支えられてきました。歴代社長の中には、榛村純一氏のような地域社会に貢献した人物も含まれています。また、渋沢栄一土光敏夫松下幸之助など、経済界の重鎮も報徳[[思想]]に共鳴し、活動を支援しました。

まとめ



大日本報徳社は、二宮尊徳報徳[[思想]]を現代に伝える重要な拠点であり、その活動は地域社会の発展に貢献しています。歴史的建造物群は、日本の近代建築史において重要な価値を持ち、国の重要文化財に指定されるなど、その文化的価値は高く評価されています。今後も、報徳[[思想]]の普及を通じて、社会の進歩と人々の幸福に貢献していくことが期待されます。

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