大木金次郎

大木金次郎

生涯

大木金次郎は、1904年（明治37年）8月3日に山梨県甲府市で生まれました。1922年（大正11年）に甲府商業学校を卒業後、朝鮮銀行に就職しますが、キリスト教に触れたことをきっかけに青山学院高等学部商科へ入学します。1929年（昭和4年）に卒業後、アメリカに留学し、オハイオ・ウェスリアン大学とコロンビア大学大学院で経済学を学びました。1932年（昭和7年）に帰国後は、母校である青山学院で教鞭をとり、経済学の教授として後進の育成に励みます。

青山学院での活躍

大木金次郎は、青山学院において数々の要職を歴任しました。高等商業学部教務主任、商学部長、経済学部長を経て、1958年（昭和33年）に青山学院大学長に就任します。さらに、1960年（昭和35年）には青山学院院長となり、大学運営を統括しました。1959年（昭和34年）には法学部創設に尽力し、初代法学部長も務めました。また、1961年（昭和36年）に開園した青山学院幼稚園の園長も兼務するなど、幅広い分野で活躍しました。

1960年代後半には、大学紛争が激化しましたが、大木金次郎は機動隊導入など毅然とした態度で対応しました。1972年（昭和47年）には、文学部神学科の学生募集停止を決定するなど、強硬な姿勢を貫きました。

社会的活動

青山学院での活動以外にも、大木金次郎は様々な分野で活躍しました。1961年（昭和36年）からはキリスト教学校教育同盟理事長を務め、1969年（昭和44年）には国際連合総会に日本政府代表として出席しました。その他、日本国際問題研究所理事、文部省教育職員養成審議会会長、日本私立大学連盟会長、全私学連合代表、文部省私立大学審議会会長、私立大学退職金財団理事長、青山学院大学初代国際政治経済学部長、日本私立大学連盟顧問、全日本私立幼稚園連合会初代会長など、数多くの要職を歴任し、教育界、国際社会に貢献しました。

学術的な貢献

経済学者としても、大木金次郎は多くの著書や論文を発表しました。代表的な著書として、『経済学の理論と思想の発展』、『経済政策学原理 経済政策論の方法史的展開』などがあります。また、博士論文として「経済政策学における理論体系の構成原理の研究」を発表しました。これらの研究を通じて、経済学の発展に貢献しました。

その他の活動

大木金次郎は、青山学院校歌の作詞も手がけています。1974年に制定されたこの校歌は、現在も青山学院で歌い継がれています。

死去

1989年（平成元年）8月3日、大木金次郎は急性心不全のため、85歳で生涯を閉じました。彼の遺志は、青山学院の発展とともに、後世に語り継がれています。

栄典

1970年（昭和45年）11月1日 - 藍綬褒章
1978年（昭和53年）11月1日 - 勲一等瑞宝章
1989年（平成元年）8月29日 - 従三位

著作

単著
『経済学の理論と思想の発展』巌松堂書店、1938年10月。
『経済政策学原理 経済政策論の方法史的展開』千倉書房、1959年6月。
翻訳
ステュワート・チェース『ニューディール 新経済工作論』森山書店、1934年5月。
論文
博士論文「経済政策学における理論体系の構成原理の研究」、日本大学、1959年10月26日。
作詞
青山学院校歌 - 1974年制定、平岡精二作曲
追悼文集
『神の愛に生きる 大木金次郎先生追憶文集』青山学院、1990年11月。
『青山学院大学理工学部25周年記念誌 院長・理事長大木金次郎教授追悼号』青山学院大学理工学部、1990年11月。

参考文献

『青山学院九十年史』青山学院、1965年9月20日。
* 「故人略歴」『青山学報』第145号、青山学院学報局、1989年10月15日、14頁。

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