大木雅夫

大木雅夫

大木雅夫（おおき まさお、1931年2月19日 - 2018年10月1日）は、日本の著名な法学者であり、比較法学、法思想史、そして法哲学の分野で多大な貢献をしました。福島県会津地方の出身で、聖学院大学の理事長を務めた大木英夫は実兄です。大木雅夫は、上智大学名誉教授であり、聖学院大学客員教授としても教鞭を執りました。また、法学博士（東京大学）の学位を有しています。

学術的背景

東京大学法学部を卒業後、同大学院で博士課程を修了。1958年には、学位論文「比較法思想の歴史的展開 -比較法学の根本問題-」で法学博士号を取得しました。末延三次に師事し、その指導の下で研究を進めました。

職歴

大木雅夫は、そのキャリアを通じて、数々の大学で教鞭をとりました。1958年に東京大学法学部の助手としてキャリアをスタートさせ、その後、立教大学法学部助教授、教授を経て、1970年には上智大学法学部の教授に就任しました。2000年からは聖学院大学政治経済学部の教授および大学院政治政策学研究科長を務め、上智大学名誉教授の称号も授与されました。2011年からは聖学院大学大学院政治政策学研究科の客員教授として教鞭をとりました。

学会活動と受賞

比較法学会では、1988年から1994年まで理事長を務め、日本の比較法研究の発展に貢献しました。1994年には、東京海上各務記念財団より優秀著書賞を受賞し、その研究成果が広く認められました。

研究活動

大木雅夫の研究は、比較法学を中心に、法思想史、法哲学の分野にも及び、西洋と日本の法観念を比較研究するなど、多岐にわたります。その研究成果は、数々の著書や論文として発表されています。

盗作問題

2004年には、中央大学法学部教授の木下毅による盗作疑惑を指摘しました。この問題は、木下の著書の回収という結果に繋がりました。

著書

主な著書には、以下のようなものがあります。

『日本人の法観念 西洋的法観念との比較』（東京大学出版会、1983年）
『比較法講義』（東京大学出版会、1992年）
『資本主義法と社会主義法』（有斐閣、1992年）
『異文化の法律家』（有信堂高文社、1992年）

共編著としては、『多層的ヨーロッパ統合と法』（中村民雄と共編、聖学院大学出版会、2008年）があります。翻訳書には、W・リップマン著『ヨーロッパの政治と経済』（ダイヤモンド社、1963年）、K.ツヴァイゲルト、H.ケッツ著『比較法概論 私法の領域における　原論』（東京大学出版会、1974年）、H.シュロッサー著『近世私法史要論』（有信堂高文社、1993年）があります。

また、大木雅夫の古稀を記念して『比較法学の課題と展望 大木雅夫先生古稀記念』（滝澤正編集代表、信山社出版、2002年）が出版されました。

死去

2018年10月1日、拡張型心筋症のため、87歳で逝去されました。

外部リンク

聖学院大学大学院 政治政策学研究科
コトバンク

大木雅夫は、その幅広い知識と深い洞察力で、日本の法学界に大きな足跡を残しました。彼の研究は、現代の法学研究においても重要な意義を持っています。

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