大松沢丘陵

大松沢丘陵（おおまつざわきゅうりょう）

大松沢丘陵は宮城県の中央部に位置し、松島丘陵と平行に東西に広がる丘陵です。この地域は陸前丘陵の一部であり、鳴瀬川と吉田川、その支流によって囲まれた孤立性の丘陵となっています。特に西側の吉田川支流による平坦地が狭く、奥羽山脈から続いている台地の一部と見なされることもあります。

丘陵内部には吉田川の支流によって形成された多くの狭い谷があり、水田などの農地が広がっています。この丘陵を迂回する形で、国道4号や国道457号（羽後街道）が通過しています。また、東北自動車道と東北新幹線は丘陵を横断しており、旧奥州街道は国道4号と東北自動車道の中間を通過していました。

大松沢丘陵の特徴として、東端が仙台湾には達さず、鳴瀬川で終わっている点が挙げられます。丘陵は鳴瀬川流域の志田郡（大崎地方南部）と吉田川流域の黒川郡（仙台都市圏北部）の境界となっており、旧鹿島台町は黒川郡の丘陵南側に位置しています。かつて存在した品井沼は、大松沢丘陵南東の吉田川と鳴瀬川の合流地点にあり、この低湿地が交通の障害となっていました。これにより、古くから東北地方を南北に分ける重要な地形となってきました。鉄道の東北本線もこの地形を乗り越えつつ、1890年に通過しました。

また、大松沢丘陵は幕末から仙台藩周辺で亜炭が採掘される地域としても知られています。家庭での燃料が徐々に亜炭に移行し、1920年代には仙台鉄道が開通すると、亜炭が仙台に大量供給されました。しかし、1950年代には台風の影響で鉄道が多くの区間で廃止され、エネルギー革命も影響し、亜炭の需要が減少しました。

現在、大松沢丘陵には森林と水田の他に工業団地、ゴルフ場、レクリエーション施設、牧場が整備されています。特に丘陵の東部には石の宮、高寺山、大日向山といった少し高い地域があり、その他の山々は目立って高くはありません。1983年には仙台北部地域がテクノポリスとして指定され、丘陵西部に仙台北部中核工業団地が設けられました。周辺地域も工業団地として開発が進み、宮城県内の工業活動に寄与しています。

特に、2007年にはトヨタの関連会社が進出を決めたことで、東北地方における重要な工業地域とされるようになりました。また、三本木PAにはスマートICが整備され、道路のインフラも著しく向上しました。

主な施設としては、仙台北部中核工業団地、第二仙台北部中核工業団地、万葉クリエートパーク、昭和万葉の森などがあり、さまざまな利用がされています。大松沢丘陵はその歴史的価値のみならず、現代においても地域の発展の中心的存在となっています。

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